『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「へ〜、急だった、か。」
あ〜、ふらついてんな、どいつもこいつも
「ま、でも薄々予想は付くぜ〜?俺が生き返りゃ、空気がマシにでもなんだと思ったんだろ〜な?
明るい声で、また話してくれるとでも思ったんだろうな?
皆を救ってくれるとでも思ったんだろうな?」
猫 ですは綾川 遥希に医療品をおくった
「……、綾川さんには
猫から医療品を渡しますから」
「…………しずくさん」
か細く、声をかけるのでしょう。
猫は非力で、弱い生き物です。
そうだ、綾川さんが怪我をしていたんだった。
はやく処置をしてあげないと。
包帯と薬を返還してこないとな。
はやく、たすけてあげないと。
ふらふらと、ちかよる。
「あ、あのアマ消えたな」
これが本物のメイドってやつか。
こんな状況ながら、素直に感心していた
「……着いて行こうにも何処に行ったか分かんねえな。
しゃーねえ、毒なら一緒に飲んでやるよ」
座り込んで、成り行きを見守るようだ
「あ〜、そういう、ワケ?」
モニターを見よう、ああ、見知ったやつが死んでんな、知らないけど
「……んで怪我だらけで、大変、って事か?
………因みに、どうして俺が生き返ったか…生き返らせたか…とかは、言えっか?」
ふぅむ………なんともまぁ、忙しそうだ。
気にも留められぬなら幸い。メイドとしては良きものだ。
カーテシーを送った後、メイドはその姿をロビーより消した。
「ふむ」「今日は2つだけでしたか」
丁度今来たものだから。見えるのは、2人分の赤い文字だけなのだろうな。
「それでは、失礼いたします」
「あのシスターさん、目が見えないのに、危ないですよ!」
脚が動かない、動かそうとしても、僅かにしか動かない
「クソ……動けよ!動けよ!」
<s1>「……ぅ」
視線が痛い。
吐き気がする。
寒気が止まらない。
彼を今死なせるわけにはいかなかったはずだ。
能天気な明るさを失えば、今度こそ終わりだと、そう思ったはずだ。
違う。
感情だけの先走りじゃない。
ちがう。
チガウ。</s1>