『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「なんだいその鳴き声は……」
こんなに珍妙な人じゃあ、そりゃ弄られるだろうなぁ……なんて思いながら。
も少し強めに肩をぽすぽす。
「というかめちゃくちゃ張ってないかい……?」
「外科医ってここまで身体を酷使するものなんだな……お疲れさまだ」
天使の歌なら場合により大丈夫な方なのかもしれない。微笑を返すばかり……
「あ~残酷な現実が伝えられて顧客が減っていく~真実を伝えるのは営業妨害だぞ~」
>>12904 面白がられている気配と>>12910 観察の気配に野犬みたいに威嚇の唸りを漏らした。別に怒っているわけではなく、姿勢的には壁にもたれて座り込んだままだ。
「自分のままで居たい、か〜…ほのち、中々にギンギラギンのマブ……って感じだぜ………そういう心持ちは中々に良いからな〜」
「あ〜………ま〜、人間より生きるのが難しそう、これはそりゃそ〜か。
弱っちく倒れる可能性も高いよな〜、そりゃ……」
「……む、虫が湧いてっ!?」
「想定外のハードさだな……いやまあ飼いネコでもなければそうなんだろうけれど」
猫生も楽ではないんだなぁ……。
「ミヨ~~~……」
肩ポンポンされたら…鳴いてる。キモい。
「まあ、そうだよね…野生の世界は思っているほど簡単じゃ無い…」
「猫だって大変なことはありますよ」
「餌も満足に得られない、体に虫は湧き
寒さによって簡単に死ぬ」
「猫はそういう仲間を沢山見てきましたから」
とはいえ、猫はそれに慣れていますから
そこまで大変だとは思ったことありませんが。
「…………伸びきっちゃったな。……すまない。いや本当に」
よく弄られるもんなぁとは思っていたけど、たまには労ってあげようかな。
伸びきった肩を軽くぽんぽん、この間のなでなでのお礼代わりにでも。
「自分の心を隠すのは健康に悪いよ、人間クン……
だからオレが、代わりに伝えてあげるからね……」
「い~ね~いい願いだなあ、あー叶えたかった~」
昨日(一昨日)の今日で不名誉な話が二つもできてしまって。医者は諦めた。
運命(さだめ)は黙って受け入れる…それはそうとしてやっても無い嘘の不名誉は流石に勘弁してほしいな…
(天使の歌でダメージ受けるって事は、あのデッッッケ黒いおにーさんもやっぱモノホンの悪魔なんすかねえ~)
と心の中で思いつつチラ見しておいた。
「わたしはねこになりたい、ってやつすね笑」
何が?
「でもまあ気まぐれに生きるのも悪かないと思うすよ笑」
「俺は……俺のままで居たいんで、ネコチャンにはならないと思いますけど」
「頭ン中掻き回されたかと思った」
症状としては概ね二日酔いとかに近いらしい。天井を見上げている。
デュエットに乗り気な悪魔にはやめなよ〜という遠巻きな止めがあったかも。全然個人差があるやつでありダメージ判定が貴方にも出るかどうかは不明だ。
「いやまあ思うのはいいんだけど!!仕事中じゃ無いから多少は勘弁してくれないかァ…?!」
ででーん伸び医者の出来上がり。ソファの座面に寝転がって伸びちゃった。
いやーん。
「正直人間として生きるのヤバだと思ってっからさ〜?そんなら記憶も全部忘れてただの猫として生きてぇ、的な〜?
んまあでも頼むのは今じゃ無さそかも?悪魔の囁きはそれでそれでヤバだし〜」
「死因ヨーヨーとか聖歌でひでぇ目に合ってるシケっちとかオモロすぎるな、ヤバ」
「や、やめないか!人の心の中を勝手に読むようなこと……は……。……あ、いやその」
つついたら出て来ましたよ。藪の中から本心が。
「猫は猫ですから。
人ではないです。人の言葉は喋ります」
強いこだわりがあるようです。
「ヨーヨーで死なれたら思い出す時の第一がヨーヨーになるの嫌ですね」
「結構好評じゃん。要望は可能~な範囲なら受け付ける可能性があるさ~。
こりゃ力があったら大量契約獲得チャンスだったな~ちえ~」
「天使が歌ってんの~?悪魔もデュエットしにいってやろっかな」
「いらっしゃ…どしたの…。」
「ああ、聖歌ね…。」
話を聞けば納得。
まあ多分こっちまでは来ないでしょうし、きたらそっとしておいてと追い返そうかな。
「本来人を治すべき立場であるはずの医者が、
ヨーヨーで遊んで怪我をするなんて……
マジで何してるんだろうこの人……
って顔をしてるねえ よかったなあ~」
「流石にヨーヨーの角に頭ぶつけて死ぬとかはカッコ悪すぎる〜〜〜」
「気をつけます…」
流石に結構嫌だったらしい。多分注意はすることでしょう…。
「ねこのはなし〜?」
壁を支えにしてよたついた挙動で戻ってきて、そのまま床に座り込んだ。別に怪我をしたとかではなく軽微な体調不良であり、しばらくすれば復旧するらしいですね。
「宴会場のほうヤバいわ天使が歌ってる」
それにダメージを食らったらしい。名誉のため述べておくと全然綺麗で無害な歌です。
「僕も一度は猫になってみたいものだが……」
「アレルギーはそのままで即死みたいになりそうで嫌だな。そこらへんが充実してるなら速攻で契約するが」