『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「お、コンニキじゃん、よっすよっす〜
プールで大運動会でもしたか?それとも地獄のシャワー?」
おお、賑やかな人が来たぞと
「ん?あ〜、確かに、ユウちは和風〜って感じだもんな〜、
ヤバはヤバい…まあ、印象にすっげー残るくらい大変な事だろ?
んでオモロは…面白いこと!俺はそういう派手で自分が楽し〜って思う事をやって死のうと思ってっからさ?」
相変わらず軽いノリかも
「ん、楽しげか〜、そ〜言って貰えるとこうしてきたかいがあるな、って思うぜ!暗い顔ばっかじゃ誰の顔なんて見てくれね〜からな!ま、俺は覗き込むけど!
覚えてて貰えるって言ってくれる…それだけでめちゃくちゃ…安心すっぜ、マジで」
「ああ……結局プールに飛び込んだ時の水分が抜けない……!これでは就寝が難しい……!」
そう言いながら、ロビーにしぶしぶ戻ってきた。モニターの電気が通ってるなら、多少は画面の発熱でロビーが暖かいのではないか、そう言い訳して。
「おや、貴方様のお身体のことを考えるのならばわたくしはお話しするのではなく、さっさと寝てしまったほうが良いかもしれませんね……」
と、言いつつも眠そうな様子はない。
「皆に覚えて……そうですか、やばやおもろはわたくしには分からぬ概念でございますが……少なくとも覚えていてもらえると思いますよ。貴方様は見かけるたび、楽しげでございますから。」
「ん〜、起きるか寝るか迷ってっとこ、ユウちも寝るなら潔く寝っけど…まだもうちょい起きれそ〜だからな!」
「そー、天運……良い行いをしてるかは分かんねぇけどな〜
まあでも、自分は最後だとしても、全力で楽しんで、最後がヤバとオモロで、ついでに皆覚えててくれりゃ、それで良いからな〜」
「連れられるように皆様一斉に寝てしまわれますからね……貴方様はまだ起きてらっしゃるのですか?」
静かになりましたねえと、
周囲を軽く見回した。
「おや、天運任せでございますか……それは少々頼りないものですね。ああ、でも、貴方様が日頃良き行いをしてらっしゃるのであれば……運も上がるかも、しれません。」
「………めーっちゃ静かになったな〜、いやまあ、ユウちは起きてっけど…」
静かになれば、まあ、思考が回る訳で。
「ん〜、刺されないように、に関しては俺の運の良さに乞うご期待、的な〜?
なる時はなっちまうしどーにもならね〜からな。分からないからこう考えるしかねぇし」
「言う時は言うぜ、諸説あるけど……
そこそこ軽い調子でやると上手くいく事が多いから簡単には変えられね〜んだわ、自分でもヤベーとは思ってる…」
「………あー……あ〜、うん、そーだな。
…………刺されても生きてるな、現にこうして立ってるワケだし〜?
死んだ時にバカデカく悲しんでくれたら万が一死んでも問題ないし〜?」
「っと、ゆっくり眠れよ〜」
「おや、もう1人も」
「おやすみなさい」
「………とは言うものの猫も眠たいんですよね」
睡眠ラッシュの気配を感じ取ったので
便乗しましょう。
猫は体を丸め、睡眠をしました。
んまー。雨がうるっせぇのは昨日からノンストだし慣れてきたんだよん。
少なくとも騒いでる間は紛れてるから安心してね。
つーわけでアタシちゃんも今日の空部屋探してくるぜ。
朝日と共に現れる明日のアタシちゃんをお楽しみにな。
「神主はあまり良いものばかりとも思えませんが……信頼のおける場でご相談なさってくださいね。」
「おやすみなさいませ、お疲れ様でございます。」
「とか言いつつわたしもそろそろ限界だ………寝させて貰おうかな………。」
座っていたソファにそのまま寝転んで、
「おやすみぃ………」
まあやはり結構疲れてたのか、なにもされなければ爆速休眠だったことでしょう
「えらい………。神主さんとかはキチンと相談すりゃ優しい人ばっかだから。医者ほど気むずかしくもないし、心配すんな。」
同業者、酷い言われよう。
「あとあんたはもうちょい反省した方が殴られないと思うぞ………
「僕はここまでにして寝ようかな〜」
「雨が語ること、平穏になりますように」
どしたん?話ぴちょぱ?(滴り)とか。
与太は程々に。
床の上で丸くなる。
「お化けとかって、触れないのが嫌です……
触れられるのなら引っ掻きに行くのですが……」
抵抗のしようがないおばけが怖いようです。
「俺はただ〜、全員とマブになりて〜だけだったんだケドな〜良くしても駄目はなっかなかに難し〜……ヤバヤバのバなんね……
……ん、色男か〜…ユウち以外にも…昔にやーい、色男って言ってきてたヤツもいたし、俺はそーなのかもな」
んなー……資源系は雨からは聞かなかったカモだけど、なんか放送のノイズは言葉っぽいよな。
繰り返され過ぎて声に聞こえんなってきたし、そもそも雨音と混ざってるせいで聞き取りにくいんやけども。
ねこちゃんなかなかに流暢でかわいい。変だろうが人間からしたら変でもなんでもない。だって癒しの泉………
「酷いことしてなくても、他の女になんか良いことしただけで女ってキレるからな………」
女ってやべえから気を付けろよ………なんて。
だめだ。ここまでくるとおばけ憑かれてウケるしか言えんなってきた。
原因もなんも分からんけど、まあマブ達オモロいからいっか。
……出たらちゃんと病院はいきますはい……。
「僕も聴いたかも、幻聴」
通信機から流れた曖昧な言葉。
ここでは雨音と同じく流れ続けている。
そのノイズのうちに。
「無から資源は生まれない」
「部屋の中で完結している」
「そんな意味合いのものを」