『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「何も酷いことしたつもりね〜のにやられたんだよ…」
「まあ無事じゃなかったときはせーので霊障受けようぜ、ヤバ、に思ってんぜ…」
「あー………お化けは憑く人選ぶよ。あとたまに憑けないつるつるのビー玉みたいな人もいるし………。」
この医者はどうなんだろうか。その辺はわからないが………
「え〜、あ〜………う〜ん」
長く悩むような仕草
「腹の時はぁ〜…俺はただ……マブダチガール達と会話してて…皆置いてきぼりはしない方がいいかな…と色々やってたら〜…急に怒って…的な?」
自業自得か、巻き込まれかの真相は闇の中…
「えぇ~………いや多少は見れるけど正直その辺は天使ちゃんとか巫女ちゃんのが良いんじゃないかなあ………」
ぼやきながらも一応目とか見たりはしてる。
「責めて麻酔と輸血ないと厳しいって………アタシが神になるぐらいの勢いでなんかするしかないじゃんそれ………」
「大丈夫ですかみなさんマジで……」
「猫は言わずもがな分かりませんからね……」
なんかまだ口調若干変かもです。
ホラーが苦手な可能性があります。
「あ」「医者が匙投げるとこ、初めて見た」
「神父サマもシスターもいるんだし、霊ならなんとかなるんじゃない?」
「寄生生物だったら……ハルが凄腕外科テクニックでなんとかする」
ねこちゃんが流暢に………かわいい………
「は、腹って、何したらそんなことされるんだよ………」
なんかこのお兄さんも相当苦労人な気配がしてきた。おつかれさまなのかも。
詳しく見てもらいたくても、ここのお医者さんそのいちははるきっちなんだぜ……。
もう一人もその辺詳しくなさそうだったよ……?
「ま、まあ自分の当たり前がそうじゃない時って偶にあるから気ぃ落とすなよ〜?
俺も良くやる、んで顔面とか腹やられる、けどここにそれだけでそうする奴は居ないからよ〜」
「ただ俺に出来ることがまあ…元気出せよ…しかね〜のは申し訳ねーぜ…」
え、えぇ……。
アタ、アタシ完全にみんな聞こえてる前提でずっと喋ってた……。
アンジャッシュやばぁ……。
てかオバケはさておき、寄生はヤバ過ぎん?
アタシの体内大丈夫???
「アタシはそれはないが………幻聴幻覚の類いか、あるいはマジでそっちのやつが見えてるか、あとは生まれつきのなにかか………ぐらいしか推理できないね………。まあ、前のどっちかだろうけど………」
病院って、結構ガチのお祓い案件も掛かりにくるから、実はちょっと詳しいのだった。
「そ、そう………」
次の停電のあとで。
貴女が死んでるなんて思いたくないけど。
「………ありがとう」
自然と、出てきた言葉はそれだった。
できれば、生きていてほしいと思いながら。
「雨粒ちゃんたちはジャパニーズホラー路線で推理するんだ?」
「僕はなにかに寄生されてるんじゃないかなって」
「宿主を雨で溶かして餌にするような……」
「出てきちまったな……ノイズまみれの放送とか、閉じ込められた状態が心霊現象とか、そーいうのの可能性………
…ララちが特別霊感ヤベーのか、俺らが鈍感なのかは分かんねぇけど、雨の中の声…外に出ちゃいけない理由…まさかな〜」
いやあの、みんな聞こえてて平気だっんじゃないの……?
停電当たりとかうるさすぎて頭痛にキ過ぎて明るくなってちょっと動けんけども……。
「……」
固まる。
「……マジ?」
「……だとすると……中々に…ホラー的なヤバじゃねーの!?
そこまではっきり言葉が聞こえてくるのは…予想外だぜ…」
「雨の音、僕も普通かな。声には聞こえないかも」
「……きみ、僕が初めて楽しそうにさせられた人なんだから」
「道具で釣ったとはいえ」「トクベツ、だよ」
「僕が次の停電で死んでたら」
「僕の全部、持っていっていいよ」
「それくらいには」「思ってる、かな」
「………ララさん………」
「………それ、多分思い切りお祓い案件だと……」
やばそうだよ結構、出れたらすぐ行きな………?!といった風な感じ。それで祓えなかったら………もう分からん。
「おや……ひどい頭痛に苛まれてらっしゃると思っておりましたが……わたくしが思うよりもよりひどく、悩まされていたのですね……わたくしにどうにかできれば良かったのですが……。」
医者でもなければ、何者でもない。
心配する事しかできなかった。