『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
なんかこう、
「ずっといっしょに」
とか
「にがさない」
とかその他色々聞こえて来てるけども。みんな聞こえてないん?バリうるさいけども。
「あぁ、そう聞こえるってお話ですか」
「雨の音は確かにしますが……
猫はそこまできになりませんね」
「むしろ心地よいくらいには」
……その人の為に死ぬか、生きるかの違いじゃないかなぁ。
アルカンちゃんは解剖くらいはおけなくらいに嬉しくなっちゃったんだなぁって。
「おー、助か…ん?声ぇ?頭痛酷いと声聞こえるってなかなかに辛くね?俺は酷くても声が聞こえたことは〜、ねーかも?」
首傾げたかも
「医者は研究者か〜………そーだよな、得体の知れないものを知って、対策と構造と…は研究だよな〜
誰かがやらね〜とどっかでどん詰まりになる…」
頭痛はヤバヤバぁ。低気圧らしいけど、仕組み知らん。
ここはみんな精々気が滅入るくらいよな、つよいぜ。
声はしてないん?ここの雨、うるさすぎて声に聞こえるけど。
んでそのせいで頭痛一回マジヤバだったけども。
「ォええ?!アタシぃ………?!いやいやいやいや………」
またまたご冗談を………と言う風な反応。
でもナイフ持ってないし、この女にまた、親しいものが切り刻めるかといわれれば。
「ンー」「この空間で一番気に入ってるの、ハルだから」
「どうせ切り刻まれるなら、あの子がいい」
尻尾をゆさゆさと振る。
たった玩具一つ与えたこと。
もう他の誰にもできないから、きみが唯一だ。
「猫は解剖とか絶対お断りですから……」
強い意志を持っています。
「雨の頭痛とやら、よく分かりませんね。
声……?とやらも」
「ええ~でも流石に知り合いは解剖したくないなぁ………そりゃやるからにはもとに戻すとは言え、傷跡は毎日痛むぐらいにはなるだろうから………」
メスと言うものは怖いのだ。まあ、どっちにしても必須な物がほとんどないから、出来ませんが………。
それはマジでそう。よう生きてたでアタシ。
あとほぼ覚えてないから正直普段全然役たたんウケる。
つかアルカンちゃん解剖もアリなん?
「医者は医者である以前に研究者だからな………」
良く暴走する。てか、人外多いせいか毎日してる。
「そういえば、天使の羽の骨やからだの骨なんかは空洞なんだろうか………」
「取り替え子、の取り替えられた方ね」
「そんな感じなんだ。よく生きてきたね」
「熱帯魚には骨までカラフルなものがいるそうだよ」
「僕もそうだと思う?」
「そこまでは人と同じかわかんないでしょ」
そもそもみんな雨に負けんつよつよ頭だけどな!
声もスルー出来るみたいだし、ぶっちゃけいらんくね?だけど、ある意味アタシの最初のズッ友だから紹介しとかなきゃね!
「よ、良かった〜………いや、ま〜、やるには何らか必要とは分かっててもなかなかにビビるぜ…
…命はやーっぱ大切なんね……そこもある意味平等?なんて思うと安心、的な?
それでもその言葉が出る辺り、探究心ってヤベーって思うワケで…」
「おー、ヤバ頭痛薬の布教?やんじゃーん、他のマブとかに広めたら快適間違いなしでオモロそ〜」
「気になるのはもっとこう、はっきりとした人ならざるものなんだよ…。犬猫というのはすでに解剖されていて臓器の位置やサイズ、どう言った動きかなんかも全てわかっているからね…。私が知りたいのはツノが生えてる彼の頭蓋骨とか…。天使さんの骨格とか…天使と悪魔に臓器はあるのかとか…。」
「いや何もしないからね?!?!待って?!?!本当に手出ししないからね?!?!?!友人に手を出すほど残酷な医者じゃないから?!?!」
「………先に言っておくと…君たちの解剖はしないからね…」
目の前の2匹に告げる。流石に、ここまでしゃんと人型であると、中身は容易に想像がつくため、さほど興味もないらしい。
「一応ちゃんと外科医だからな。患者を殺すわけにはいかん。それが検体だろうと同じだ…」
「あぁ、そっか、こっから外に出たら手出しできなくなるのか…。寂し…。」
なんとなく、さっきのあれの話でこのハコの構造を若干理解したようで。
「雨に悩まされているのは、その頃のものなのかもしれませんね……お可哀想に……」
頭痛、よくなればなあ……
「おやおや、お医者様はそういったものにご興味が……」
「ここの人は全員同じ言語で意思疎通を取れるから助かるね。……現実に戻ったらそうもいかなさそうなのが寂しいところだが。」
「しねえって…麻酔も縫合具も血も止血剤もないから今やると確実に殺しちまう。」
「………………」
大体はタンパク質でできてる。なら人と同じように扱っても行けると言うことだ。
「悪魔とか天使の中身見たい…………」
こらこらこらステイステイ。
「チェンジ……リング……」
「まぁ、大変だったのですね」
猫もよく分かりませんでしたが
大変だったということは分かりました。