『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
分けるやつ、棚以外は勿体なく感じるんだよな。どうしても。
まー。アタシが棚バトル好きんちゅなのもあるけどな。参加はしないけど。
行くやつはいってらな。気を付けてな。
「今は…余裕のある者には治療と、足りなければ
資源を分けてもいいでしょうね」
「そうすれば生きる事もまだ希望を持てますでしょうし」
「こういう時、明るいことを言ってくれる人は助かります」
「猫は……そういうのを言うのが、苦手ですから」
「はい、お気をつけて」
お見送り、お見送り。
「まあ…何、死にたく無いのは皆んな一緒だろ、だから争いが起きてる。別に本能にしがみつくのは悪いことじゃ無い。」
そう生きるように設計されているんだから。
「…ちょっとプールの方でも見てくるよ。ちょっと、あの子が心配でさ。」
声をかけたのは己だから、多少なりとも様子くらいは見にいったほうが良いかも、なんて、煌々としているモニターを見ながら思ったらしい。
「分からない…自分は、私、は……どうすれば、いい……?」
「おしえてよ、神様…」
辛気臭い顔は、ずっと蹲り続ける。呟いて、呟いて……その口が閉じる。
「……みんな、不安なんだ。終わりの見えないこんな場所じゃ」
「でも、だからね……。だからこそ、もう傷つけあうのは終わりにしなくちゃなんだよ」
むくり、とソファから起き上がってくる。
まだ少し目元が赤い。
あとさ。ナイフが無かったら平和でも無かったと思うよん。
ぶっちゃけずっと雨がギャーギャー騒いでて、こんなに小さいホテル的建物に押し込められててさ。
だからさ、わりとしょうがなかったんじゃねと思うんだわ。
だから、諦めたり、手遅れだったみたいなツラすんのやめよーぜ?
少なくともアタシちゃんはまだ元気に、まだみんなとマブと思ってんだわ。
あとまあ、資源余りに困ったら怪我してそうな人のチリョーとか?
ユーコーカツヨーかはわかんねけど、あんまり勿体ない感じしないよな。
傘の下で話していた男女二人、連れ立って別の場所に移動していく。
相手がどうかはわからないが、少なくとも少女は内緒話に夢中で、周囲の様子はあまり把握してなかったろうな。
「…それこそ、足りない人に分ける手段はあるからまあ…そこら辺はあの自販機でも上手く活用すれば良いさ。」
暗い、と言うことはまあ…見当はついた。多分…そう言うことだろうな、と。
生にしがみつくのはやはり、皆同じことなんだ。
「んでど〜〜する?
まあどーもしなくたって共有に入れて俺が悲しくなるだけだしな」
資源の話。どの口が悲しいと。
「それか、蘇生に使ったっていい」
「そうか、」「放送通りだったらあと3日で[かいせい?]ですからね」
「それだったら……どうしようかな……」
ソファの上、俯いて。
来た人を見ては「あ、」まで言ってから口をつぐんだ。
「最初の頃は、平和で……
楽しかったのに」
今となっちゃ、ほとんど見る影はないのかもしれません。
皆が皆を疑い、奪い、警戒し
狂い、諦め……、希望を見出す人もそりゃいますが。
改めて、手元の袋を確かめる。
「……」
「次の停電で、私がどうなるのか。」
「これは、本当に一か八か。」
「賭けに負ければ、私は死ぬことでしょう。」
「失敗した、失敗した、失敗した、失敗した、失敗した、失敗した……」
何かを呟きながら入ってくる。顔色は暗い。
「もう後がない、もう引き返せない、まだ、まだ死ぬ訳には」
「人のを変えることはできないらしい。そこはまあ対策済みってとこだろ。まあでも…残り3日だ。一回ぐらいはガード固めといてもいいんじゃないかな。」
説明や商品の様子なんかを見つつ。自分はどうしようかな〜なんて。