『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
探偵はローゼン・ハイデンに医療品をおくった
「……迷惑かけたね、君の背で寝るつもりはなかったんだが」
鳴き声がした方へと返事を返す。
さてさて、今回の被害者は。
「今日は2人か……。蘇生薬も効果はなかったよう…………!」
「生き返って、いる……?もう一人……」
「……はは、停電以降ずっと狙われ続けてましたからね。
傷も深くなってきてまして。
明日が正念場でございましょうね。
……手当は一度だけ受けたのですが」
「そうそう、ゲーム…… 参加観戦は歓迎さ。治療費にもまあなるかもしれない……」
「よし、そろそろ行こうかな~。途中で誘わなきゃあな相手もいるから寄り道はするけどさ。
それじゃあロビーの人間クンら、御機嫌よう~」
手を振り、外へ。
「…………!」
「……停電はもうとっくに終わっていたか」
「なんて間抜けだ、僕は……」
はっとしてモニターを見れば新しい欄に赤文字の変動。
自分の愚かさを嘆きつつも寝起きの脳に情報を捻じ込んでいく。
「……ん」
もそもそとソファから起き上がる人影がひとつ。
意識を手放す瞬間まであった感触を探して腕を伸ばすが、どれも空を切る。
「……いつの間に寝落ちしていたのか」
「お〜、中々に強者揃いか、ヤベーね。
って事は俺は慎ましくエア食事で生き長らえるしかね〜かな〜…?」
「お、ロゼち〜……やっぱ結構響いてんね?
けど、俺にはなんも出来ね〜んだよな〜…」
尻尾でばさばさと床を掃いて。
増えた死人と、減った死人のことを考えている。
選ばなかった方の命、そっちまで死ななかっただけいいか……。
「また1枚だけ貰っていこっかな」
「…おや、ゲームでございます…か…」
咽せる声。
その言葉と同時に、崩れる音。
資源もないのだ。治療する術もない。
他に優先したのだから尚更。
「……もうすこし手当をしっかりするのでしたね、昨日は」
「俺モニターwatchの方が癖になってっからさ〜…争奪戦ことごとく逃すんだよな〜」
「ってかやっぱすぐ取られてる感じ?」
「……。」
構ってくれていた存在は寝入ってしまったようだ。
自分は特に、此度は何かされたわけでもなく傷はない。
「……御散歩にでも、行きましょうかね……。」
何やら色々と騒がしくもあるし。
口を挟みたい気分でもないのでふらりとロビーから消えていく。
>>10716
「………………」
「……そうね、部屋に行きましょう」
「あたしの部屋の看板は…………
『ロィナのお部屋』よ」
少女は、嗤っている。
ちょっと壊れたような、そんな表情。
「良いのかよやっぱ悪魔だな!!!」
「あ〜叶わなくて良かった〜」
「ああうん、やめとけ〜ギャンブルはよ〜、倍にはならねぇからよ…」
「ゲーム……悪魔の目論見通りか。」
不機嫌そうにしている。
「悪魔と契約する代わりに資源を渡してくれる……それは駄目なのか。」
必死になっている