『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「愛称はタン様、ということでしょうかね。」
人かそれ以外かについて、これは特に何も思わない。
ただ話の続きを穏やかに笑って聞いていた。
ヒ……ひきつったような声が漏れていたかも。
血は、あんまり……得意じゃない。
騒ぎ立ては、しないけど。
顔がやや青くはなるのかもな。
罵倒だとかが飛んでくるのでなければ、まあ目立つ見目であることは察している。のでちょっと恥じらいを添えてシャワー室に吸い込まれていくかも。口元を覆うな。
石鹸とかがあるといいな…。ないかもな…。ない場合は髪が比較的水を弾くので苦戦するかも…
服に血がついている、という話なら、一足先にシャワー室の方に消えていった女の子もそうだし。
そのときも大した反応はしなかったから、今回も別に騒ぎ立てたりなんかはしないのだろう。
人間は群れる生き物だからね。
人ならざるものも多いこの閉鎖空間にしては珍しく、見た目は人間っぽいのが集まっているかもしれない。
すみません寝起きなんです…とは別に説明する必要はないか。風体的には2mぐらいで、デカめの角とやたら長い尾と…あとなんか服に血痕のある…一般通過人外になります。
特に見咎められたり強めの拒絶が発生しなければシャワールームに向かいたいかもの気分です。
「いまお肉が食べたくなるの、なかなかに酷かもですね」
「いい名前だと思うんですけど、タンちゃんも」
でもお腹が鳴るのなら仕方がないな。
「ふふ、健康な証拠でございますね。」
大きなお腹の音、いいことです。
続々人がやってくるのは……皆寝る前にシャワーを浴びたい、ということなのだろうか。増える人影にはにこ、と笑顔を向けている。
「夜行性の群れ?」
ロビーの方が静まってきたからシャワー空いてるかなと思ったけどここ起きてる人多くないですか?
やや入口で入っていいものか悩む時間が発生した。まあ入るんですけども…