『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
>>2464
「無論、問題がないよう恙なく過ごす所存でございます!……ひとえにお名前をお伺いしても?
ここはひとつ、私めの名前がコンテキストやコーンスターチであることを教えたことに免じて!」
この男も名前を間違えられたりすることに怒りは示さず、どうでもいいようなそぶりだった。
必要だったのは名前を教え、交換条件として提示する行為だった。どうしても人名を把握したいこの男は、名前を知った以上は教えないと礼儀に恥じる…といった義務感を利用して聞き出そうとしている。全然断っても良い。
「コンスターチ?」
違う。
ここはロビーじゃないからモニター見に行くのも手間だし。
名前が正しいとか正しくないとか、何が発端でどうたらこうたらとか。
男は別に興味無かった。
「そうなんすか。あんまし問題起こさないでくださいね」
「この度起きたことは私めの不用意な発言という背景がございます……はじめまして、私めはコンテキストと申します。モニターの名前と照合くださいませ」
見物人には挨拶を。
>>2438
「そうで、ございますか……!夜草様が落ち着いていただいたおかげで、見ていて私め自身も安心が芽生えてきました!
あり得ないのでございます。そう信じる心があれば……そういう確信があれば笑みも浮かべられるのですよ!」
そのための理由も必要だ。必要な嘘をつく。──私めも笑顔を取り繕っていますが、れっきとして不安に駆られているのでございます
刺激するリスクを冒してでも言ってよかったと、思った。
だから、この2つに共通する刺激しない言葉を選んだ。そんな精霊なんておそらくいないであろうし、ここでは告解はともかく贖罪なんかできようもない。──少なくともこの建物ではきっとあり得ないことなんです。
そして、人は恐怖に苛まれているとき他人に「大丈夫」と言われても拭えないこともある。だからワタシは要求を行った。己が安心することが誰かの解決になるのなら…誰かのためなら行える行為はある。──私めに安心をください。
ワタシは候補を絞った。まず、自己言及したプールと排水溝はあり得ない。琴線にしてもタイミングが変だ。
準備体操や因果関係はどうだろうか?散逸された文献はどうだろうか?ワタシにはそのような言葉を恐れる共感性に欠けていた。
なので「いたずら好きの水の精霊」「贖罪の儀」にヤマを張る。
水場から離れた理由が急に水に関わるモノに怖いモノがいたら、"そういうおとぎ話"があって、信じるような純粋な年齢であれば?
それならば、贖罪という行為が出来ずに逃げたワタシでも恐れは分かる。
>>2432
もう一度、大きく深呼吸した。
吸って、吐いて、落ち着く……
「きっと、あり得ない……」
「そうですよね、こんな事、あり得ない事何だから……」
何かを納得したのか、少しずつ顔色も戻る。汗も止まる。
「ごめんなさい……
もう大丈夫……安心、は、与えられるか分からないですけど……」
少なくとも落ち着いた様子は見せられる。
とは言われても。
頭派手な方は非人間──化け物じみて見えるし。
だからって無駄に首は突っ込まない。
「大変ですね。こんなとこで落ち着ける筈もないのに」
>>2419
同じく水場から離れて、夜草に近づく。
何か唱えているようだが、大した聴力も読唇術もない男には把握できなかった。明らかな挙動と恐怖心を除いて。
「落ち着いて、落ち着いて、落ち着いて。ただそれだけを考えましょう。
少なくともこの建物ではきっとあり得ないことなんです。だから、あなたは私めに安心をください。
私めも笑顔を取り繕っていますが、れっきとして不安に駆られているのでございます」
考える。明らかに水ではなく、ワタシの不用意な発言により耳を塞いだのだ。
最初に水を見ていた。ここまではただ見ていた。
最終的に水場から離れていった。この前にワタシの発言を聞いて叫んだのだから、ただ排水溝に飽きただけとは思えない。
となると、発言の内容に"踏み込んでしまった何か"がある。
候補は、「プール」「排水溝」「準備体操」「因果関係」「いたずら好きの水の精霊」「贖罪の儀」「散逸された文献」。考える。
>>2414
ふらふらと水辺から離れて、ぺたんとへたり込んだ。
何か言っている様だが、聞こえているのかいないのか。
「大丈夫、まだ大丈夫、大丈夫、大丈夫……」
呪文のようにブツブツと大丈夫と唱え、深呼吸を繰り返す。
暫く待てば、呼吸も落ち着いてくるだろうか。
「……ご、ごめんなさい。」
「うわーマジでシャワーある最高じゃないすかいや最高ではないな……」
ぬるっとやってきてシャワー室に歓喜してる。
水でも良い。あるってのが良いんだ。
>>2396
へらへらとしていたが、叫びを聞いて一瞬笑みを浮かべたまま硬直する。その後
「ハッすみません!なにか私めが無礼を働いたのであれば仰ってくださいませんか……?
僅か9年で社会知識を身に着けはしましたが、私めはかつてお坊ちゃまというか世間知らずでしたので、何か禁句に値するマナーなどがあるのですか?」
>>2368
ゾワッと、冷や汗が出た。
「や、やめてっ!」
突然、叫ぶと耳を塞いだ。
顔は真っ青になっており、何か言ってはいけない言葉があったのかもしれない。
プールの水が吸い込まれていく排水溝を、恐ろしい物を見る様に見ていたかと思うと、ふらふらと遠ざかってしまった。
「ふむ、我々が通れない大きさなので我々が水のような存在になるか、より大きい排水溝を見つけるしかございませんね!
落ちないようにお気を付けください!プールというのは、かねてより滑りやすいために準備として体操が必要とされてきました。
プールと準備体操の因果関係は計り知れませんが、おそらく何かいたずら好きの水の精霊を沈めるための贖罪の儀であると散逸された文献ではよく記述されているんです(虚言)」
「中庭かな?
外は分からないですね……」
大して良い景色でもないし。
「やっぱり排水溝かな?
よいしょ……」
プールの中に落ちない様にだけ気をつけながら、排水溝を見ている様だ。
恐らくは人が通れる様な物では無いのだろうけど。
「うーん人間の素手では窓は破壊できないでしょうね。硬い物は生憎持っておりません。
せめて建物の位置が分かればよいのですが……噴水?らしきものがございます。これは……建物の内側?
雨は本当に降っていらっしゃいますね……」
「プール、こんな寒い中泳ぐ人はいないよな。
着替えもないし…。
此処からも中庭は見えて……ん、なんだ。
シャワー、実在したんだ。衛生問題はまぁ解決か」
反応的に水っぽいが。
「同い年ぐらいなのか…いや、てか…そんなら余計に…こんなやつれた女のどこがいいってんだか…」
ぶつぶつ文句(???)を言いながら、一通りぐるっと回って。
「あーいや、今日はロビーかな。個室は見かけたが…硬くて寝れそうじゃねえよ。」
歳のガタが来てる体にはちとつらいね、なんて。
それならロビーにいっぱいあるソファがいいだろうなんて。
「って寝てるし!!!!ったく…風邪引くなよ〜…」
なんて言いながらここを後にしたのかも。