『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「あそうなの。じゃあ同い年くらいか………
ごめんおじさん美人さんのこと全部年下に見えるから……」
眩しさっていうかさ……目が眩むんだよね……
しみったれたおじさんにはさ……
あっちの方には多分ちゃんと年下のお嬢ちゃんも居る、覗き込んでんなァ~
「まぁお嬢ちゃんでいいじゃん、女の子って若く見られたほうが良いんでしょ?
お嬢ちゃんも探索するのは良いけど鍵かけられる個室とか探しとけよォ~」
「人間ですよぉ〜、めっちゃ人間しかいないとこからきたし…」
そもそも、人外が珍しいって感じでこの空間にいる子達をついでに眺めている節もある。
「…あいや、すんません、話しかけられると思って…なかったんで…………………てか待って、あたし嬢ちゃんて年齢じゃないんですがア?!?!」
「あたし三十路ぞ!!!!それも後半!!!!四十路片足突っ込んでる!!!!」
顔面で間違えられるのは…なんだろ、結構あるのかな…って雰囲気。
「え?なに?なんかおじさん怖がらせちゃった……?」
思ったより裏返った返事きたな……
しみったれたおっさんが急に話しかけてきて驚いたってこと…?
「ま~、最悪飲水とかに使えるかもしれんからね。
誰も入らないほうがいいっちゃいいのカモ……」
「落ちるなよォ~、落ちるならおじさんがめっちゃ目ギンギンのときに落ちてな」
いまはもう…瞼が……重い……おも……Zzzz………
「マジでプールか…いや、普通に落ちたら風邪引きそ〜だから…やめてよ?フリじゃない…ですからね…」
ジリジリ。プールの近くまで来ていたところを後ろに下がっていきました。
「アッハイ人間でず!………ァアいや…今は遠慮しとく…ます…」
びっくりして声が裏返ってるが…結構いつものことなのかも。
てか、泳ぐにしても水着ねえから…という感じ。
「………………。」
名前聞かれても黙っちゃった……。
モニターには"カッパ"と表示されているだろう。
「……そう、プール。ここは。」
「お~嬢ちゃん、こんなとこで寝んなよォ~、寝るなら鍵掛かる個室探せ探せ」
「今度は人間?の嬢ちゃんもきたなァ、みんな活動的だなァ~
ここはプールだよ。嬢ちゃんは可愛くてスタイルが良いから泳いでもいいよ」
許可───
「…うわ、なんだここ。プール…?」
ゆっくりとした動きで入口の方に現れる女。ようやく探検の時間のようで。
勿論ほっとけば帰ります。
「(なンか不思議な感触だな……)」
頭に手を乗せられたらそのまま緩く撫でるように。この男のなかでは完全に歳下の子供判定が入ったようで。
「そういやそっちの奴の名前は聞いてねぇな。なんてンだ?」
そう言って雨合羽姿の貴方の方を向く。
「最近の人外ってのはジェンダーフリーなのか……」
進んでんなァ~、人外。
変な納得をして、それなら嬢ちゃんだな、と頷いた。
「なんか夢の中なのにちょっと眠くなってきたなァ……」
「夢の中で夢見たらどうなんだ?」
時間感覚はわからないが、まぁ結構長く活動してた気がする。
くぁ、とあくびこぼして、ぼんやりと。
「好きな方……まァいいか。フルクはフルクっつうことで。」
阻まれなければ、もすり、と人外の彼(彼女)の頭に手を乗せようとするだろうか。
「オイおっさん、なンか変な判別すンじゃねェよ。(確かに甘い匂いはしてるが)」
呆れ声。因みにこっちは僕言うてるので少年だと思っている()。
「坊主はカヨイジっつうのか。なんか小説みてぇな名前してんなァ~」
「いや、作家の俺の見てる夢だからそういう名前になるのか……?」
この男はこの状況を自分が見てる夢だと思っている。
「そっちのはフルクかァ。人じゃないやつは坊主か嬢ちゃんなのかイマイチわかんねぇなァ」
「甘い匂いがするから女子かな……」
キモい判別方法