『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「いやそれはなんつうか…普段の俺の作風とはちがくてェ~……」
「あんまりィ……傑作じゃないっていうかァ……」
日和……
子供向けだから大人が読んで楽しいかどうか……
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
「ほら爺さんがなんか勘違いしてるってェ~!書物な書物!」
読み聞かせは売り切れです……
ここはどうやら生きようとする奴らが集まった場所らしい。
昨日火のつくもの沢山みんなで用意したことだし。
ま、暫く一緒に居られるわな。きっと色んな話をすることになるよ。
「おいハードルあげんなって。もう俺は永眠する獅子なの」
「各々の元の世界での話とかだけで随分時間も潰せるだろォ~」
こんなに色んな顔ぶれ居るんだから。
「良かった。早死にしそうな者たちではないな。」
生にしがみつく者ほど長く生きやすい気がする。
「小説?詩人か何かか?詩人なら有難い。ぜひ一つ詠んで欲しい。」
勘違いをしている!
「頼もしい人達」
「どれだけ残ってみても、少しは賑やかそうですね」
「……話も、尽きないと思います」
「ここには小説家先生がいますし」
なんて、ハードルを上げる。
「いいねェ、男気だ」
「どっちが先に息絶えるか競争すっか」
もうなんにも雨を防げなくなるその時まで、なんとか生きられたらいい。
耐えきってやったってちょっと笑えるもんな。
「王だってたまには貪欲に、意地汚くならんといかんのだ。」
まだ触ったことのない娯楽品がある。嗜好品がある。
「まだおまえ達に尋ねられる。それまでに楽しまなきゃいかん。」
あの世の行き先は地獄だと確定しているので、兎に角娯楽を享受したい気もある。
「ある少女と約束したのだな。『どんなことがあっても生きろ』と。だからこの建物が朽ち果てるまで生きるつもりだ。」
本気で約束を果そうとしている。
「寝てんなァと思って横で寝たら実は別人だった…みたいなのはあるかもしれんなァ」
人間違い。
まぁ余程困ることはないと言うか、困る前に終わるわな。
「そうか、ライターは弱いのだな……。」
か弱きかな。
「資源はまだある。残りは全て交換しておくか。」
そう言って資源を気軽に嗜好品と娯楽品、そして食料品に換える。
「ちっちゃいけどまァまァあり」
「でも中のガスがある間だけだからなァ~、一日もつかナ……」
つけっぱにしたこと無いからわかんねぇナ。
今からライターを買い漁るか…?