『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「何だよ邪て」
未来、憂いまくりです。当たり前でしょう。
人殺しが沢山いるんですからね。
「元々服は黒いんで」
フン……キツく縛ると鬱血しますよ。
やっぱ痛くないんで良いんですけど。
「自分の体を過信しすぎてる」
最低限野郎が……
「甲斐甲斐しくおじさんてずから手当してあげてもいいヨ……」
個々ぞとばかりにめっちゃきつく縛ったりしてやろうかな、包帯を。
木枯 芥子は藍に医療品をおくった
「贅沢な邪キだねェ、お前はこれから"邪"だ」
未来を憂いて準備するってのァ悪かないけど。
それが現実を踏み台にしてまでやるもんなんかって話である。
まぁ、そこはもう個々の思想の問題だからいいとしても。
「お前今の自分の姿見てから言えよマジで」
「服もそれぜってぇ大して汚れおちねぇからな。真っ黒になるのはお前の服と傷」
死亡レース、急速な追い込みを見せています。
藍は藍に医療品をおくった
「湯爺爺?」
そりゃ蓄えはあった方が良いに決まってますからね。
まあ、もういらないかもですけど。
食堂で待つ必要も無くなりましたけど。
「純粋な寿命と煙草による経年劣化を」「忘れないでください」
「ジジイの肺はもう真黒で機能してないすよ」
フン……
「我儘なガキだねェ~~~~~~~~~!!」
切羽詰まるってほどの蓄えでも無いだろうに。
金色の折り紙大事にとっとくガキですこいつは。
「お前よりずっと長生きしますゥ~、俺は女に刺されてないので。」
「ジジイより早死するガキ、雑魚すぎる~」
「お前がまず自分で買えや」
「買った数と同じだけなら奢ってやってもいい」
資源たくさん持ってたらお前みたいになるし。多少なにかに還元したいという気持ちもある。自衛。
「ヤですよ暗闇で死にたかないですもん……」
外に出たらこんなん何にもならない、とは言え。
ここで生きてくのに必要なんですもん。やだもん。
「……………………………………………………………」
「ジジイも早死にしますけどね」
「まあくれるなら貰いますよ?そりゃあ……」
「もうすぐ出れそうなんだから資源なんか使っちまえって話だろ逆にィ」
溜め込んでてどうにかなるわけでもあるまいに。
明るくなった窓の景色、まぁたしかに晴れはしそう。
希望が仄かに湧く実感はある。とはいえ。
「お前みたいなひょろいやつは脱出した先で死ぬだろ」
緊張感があるから体が無理して頑張ってるだけだって。
絶対無理だから。お前全然体強くなさそうだもん。
「1,2個くらいなら治療具買ってやってもいいからお前も自分でちょっと買えってェ~」
不名誉過ぎる。
確かに刺したのは女かもしれません、がしかし。
「すねー」
「でも何か、」「もうすぐ出れそうだし……」
窓の方を指さします。
ちょっとだけ明るくなってますもんね。
「怪我人の方が先に脱出させてもらえそうだし……」
1日2日くらいなら、大人しくしてたらワン無いですか?
それにまだまだ襲おうという人は、いるんでしょうし。
女を殴ってそう
女に浮気バレて刺されてそう ←New!
「昨日の停電でやられたのかァ?」
「止血してどうにかなるデカさの傷じゃねェだろォ。膿んだら臭くなるぞ」
元々よくなさそうな顔色も今はもっと悪そうだな。
シャワーなんか浴びてたらショックで死ぬんじゃねぇか。
「資源あるだろォ、死なないための資源なんだから使えよォ」
そんな……冤罪です……
「そりゃ腹に穴空いてますからね」
今に血が足りなくてふらふらですよ。
多分体温もずっと低いまんまだし。
「えー」「……?」
「止血だけ」
「死にかけてるッ!」
偉いことなってる。
なんか………浮気とかバレて女に刺されたのか……?
「お前ェひどい怪我だね。ちゃんと手当したのかァ~?失血で死んじまうぞ」
「生きてますけど……」
死んでたらホラーでグロ過ぎます。
呼ばれたんで個室から顔を出します、が。
白かったはずのワイシャツは腹部にかけて真っ赤でしょう。
これから洗うんでね、これも。……。
「……うわっ!!なんか……赤ッ!」
個室つってもな、落ちた血流れる血がチラホラこっちに見えるわけで。
なになに?大丈夫な量なのこれ?
「おーい!生きてっかァ〜?」
ロビーでちらっとモニター見たり、なんなりしてから。
落ちると怖いしなァ、と思って結局あんまり移動しないよう過ごしている。
シャワーも……今浴びた方がいいか?夜に浴びたいけどな……
悩みだ……うーん……
「脱出前に死にそう……」
こんだけ血を流してれば、そりゃそうかもしれません。
個室のひとつにずるずる向かって、上着にシャワーを当てますが。
面白いくらい血が出てきて面白いんですね、これが。
シャツもズボンも全部血塗れなので、これがまだまだ続くという訳です。
面白いですね。
ずる、ずる。
肩で壁を擦りながら、歩いてやって来ます。
やっぱりせめて、服は洗わないと。
こんなに血を吸っていたら、きっと臭いですから。
「ああ~私め自身、己の活動周期を把握しないまま動いてるので、閉じ込められてから早々に体内時計が狂ったのかと思いましたが……
他人から見ると私め。同じ周期で動いていたのでございますね!それは有益な情報でございます!
でもまあ、好きに出歩こうと思った時は大抵皆様が話し込んだ後日祭であることが多く、寂しいものでございますよ。
私め、いまだに名と顔が一致しない方が20名くらいいる気がします。多分ずっとロビーにいるからなのも原因でしょうね!」
「たまたま、皆がその時いるだけ…ってことが多いかな」
「用事があった先で知ってる顔がいて、そのまま話し込んで…みたいな」
自分から背中を追っかけることもあるが。
時間が分からないとはいえ、夜更かし気味になっているのも原因かもな。
「コンテキストさんは……この時間に、出歩いてることが多い?」
「廊下で会ったときも、同じくらいだった気がするから」
「本当にありがとう。
にしても……あまり会わないとはいえ玲衣様のみというのは私め初めてでございますね。
悪い言い方ですが、廊下でもプールでも誰かのお付きという印象を受けましたので」