『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
>>11973
「……じゃあ、私は本当に投票しますよ。」
先程までで冷え切った頭のまま、顔には笑みを浮かべる。
「だって、気に食わなかったから。」
「蘇生薬の代金をタバコに例えたり。」
「コンテキストさんの話を、眠いだの言ったり……」
「だから、襲った。
丁度ナイフも買ってたから。」
>>11985
「認知療法の話でしょうか。確かに、本人に刺さった言葉やトラウマを治療した……ものとすることができますね。
ですが綾川様なら薬と毒は表裏一体であることは分かるのではないのでしょうか?
私めから見れば……治療のために処方される言葉も、こと人間にとって考えも視界も在り方を変えていくものではないですか。
ポジティブやネガティブ、特性が違えど性質は同じだ。それに」→
正直、両者共に関わりがある相手に変わりはないため、興味がないのは嘘だが。
何も情報すら無い中で嘘か本当か、なんて問われても、特段答えのヒントはないし。
答える義理もないだろうと。
「…と言うか、そろそろ結構遅くなりそうだけど…皆休まなくて大丈夫か?戻っても良いんだぞ」
結構夜が更けてきたんじゃないかと。ただ、女の体内時計は狂ってしまっているから、そんなにアテにもならないのだった。
「……。」
どちらか、という言葉には口を閉じる。
どちらかを今この場で選ぶのは……
少々情報も、信頼も足りないから。
当人たちがいるのだろう。
だったらそれらの振る舞いを見ればいい。
反応を見るようにただ、黙る。
って。残念だけど。」
若干、いつもより機嫌が悪いのかもしれないし、そうでも無いかもしれない。
ぶっきらぼうなのに変わりはない。
「…もちろん、嘘も方便とは言うけれど。私は…悪いんだけれど、お前の嘘はそんな方便のように綺麗には見えないみたいでね。まあ、これはおそらく考える角度の問題だよ。何せ、私は頭が硬いからね。」
「ただ…刺さる言葉も治療できることをお前が知らないとは思わなかったよ。何故専門の医者が存在するかを考えたことくらい、あると思ったんだけれど…。」
一言、二言溢して。続きがあるなら聞くけど?みたいな。
襲われそうになった、とか、嘘かほんとかについては。
「………さあ。私はその辺りの話には興味がなく
「う~ん己が嘘をついてることが本当か嘘かのパラドックスじゃなくてよかった!
襲ってないに1票投じましょう!」
ケロッとした。
「なあに。僕は眠いから軽く顔見に来ただけだよ。
あと面白い話ししてるなんて思って」
振り向かれただけの反応に肩を竦める。それ以上に昨晩言いまくった相手に睨まれちゃった。
「その人、僕を襲おうとしたんだよね。ひっどいよねぇ。人には薄情って言っておいてさ」
「さて、僕の話は嘘でしょうか、本当でしょーか」
繭の子にはいぃ、と頷きながら。
ちらりと横目に見ながら、立ち去るんだろう。
プールを去るまで耳を澄ませていた。
声は情報だと知っていた。
「……。」
かくも見事な大団円。
……というわけにはいかないものの。
それなりに、不格好ながらも畳まるかと思った矢先。
新たな矢がこうして飛んできたものだから。
思わず言葉も失うというもの。
「……なんと、まあ……」
「……。」
恐ろしい、と思った。
けれど案外冷静に……男の言葉は受け止められた気がする。
それから。
「……何?」
新しく来た人にも、振り向いた。
「なるほど、あなたは重圧に耐えてきたのですね」
「自分の毒を嫌いなのでしょう。であれば、私めが吹聴して回るのはやめましょう」
上着を着込んで、靴を履いて。
「っと……、口を滑らせすぎましたね。私めは個室『コンテキスト』号に戻って乾かすといたしましょう。
ああ、でもこれだけは言いたいかな」
「お目覚めになりましたか?」
「言葉というのは頭に巣食ってしまうモノでございます。
実際の怪我も、実際の毒も、治療できることはある。
ですが己にかけたり浴びせられた言葉は、時相応にして残り、歪め続ける。考え方も、見え方も、在り方もです!」
「そして私めは口だけで、毒を以て毒を制させていただきました。一時的な沈静にとどまらず、使い方を見つめてくださいね」
気にはなるけれど、自分のことで精一杯なのも確かだから。
「みなさんおやすみなさい……。くれぐれも無理なさらないように」
小さく会釈だけして自室へと歩いて行きました。
「利用する、ということですか。」
同じことを繰り返すのか。
「良くないです」
あまりよく知らない人が口を出すのもアレだが、
彼女は明確に拒否をした。
それは尊重されるべきだと思った。
>>11921
「いつもありがとう。
そうね……今日も十分すぎるぐらいに色々あったわ。
二人で休みましょうか」
提案に頷けば、個室に帰って行くのでしょう。
「コンテキスト。やって良いことと悪いことがある。
これはどう考えても悪い方だ。…そろそろ一旦、お開きにしようじゃないか。
彼女は、今は…話をする前に先ず休息が必要だ。休ませてやってくれ。」
そう言いながら、2人の間に近づいて行くのかもしれない。
「この話はもう終わりにしよう。彼女は拒否をした、それで良いだろう。」
>>11888
「あぅ」
あなたが困ると言う言葉。
たしかに1番効いている。
わ、わかりましたぁと改めて返事をして。
ぎゅうとくっつかれれば暖かな体温があることだろう。
人並み、に暖かい。
肌を晒す時間あるなら翼を広げて暖を取るため四苦八苦していたし。
着替えもきっちり行った。薄い衣を丁寧に。
ドジだけど、頑張って着せたことだろう。
はてさて、この諍いはどうなるものやら。
一先ず結末が見られそうなのであれば……
もう少し、此処にいて、物語の着地を見届けよう。
「まあいわゆる化学反応、と言ったものだね。単体では無毒だけれど、何か他の成分と結びつくと害のあるものになる、と言う感じの。」
「今はどうかわからないけれどね。」
…ふと、声をあげた彼女は、悲痛そうで。
「…」