『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「……………」
足りてない
「女の子が体を切り売りするもんじゃねぇなァ~」
「最近の若い子ってそういう価値観なのかしら……おじさん悲しいワ……」
よよよ……と泣くフリ。
「その、ごめんなさい、安全なものなのかしら……」
目の前のあなたより、自分達の心配をするのは心苦しかったけど。
その墨の由来を聞く限りでは、今確認するべきだと思って。
「血なのかな、汗なのかな。
分からない。」
「でもね、ちょっとずつ溶けてるの。私。
きっと七日目にはドロドロの墨だよ。」
ロビーでも語った事。
「いや一滴混ざったら牛乳ではないよ」
「でもまぁ、元から牛乳じゃなかったのは確かだからな」
これは食堂でした会話の文脈である。
「とはいえまぁ」
「事情くらいは話してったほうが良いとは思うケド」
このままじゃただ公共の場を汚しただけのヤツになっちゃうよ
「プールのお水は確かに……」
なかなか飲もうと、思わないかも。
「火でも出た時には使えそうな水ではございますが……」
それもバケツか何かがなければ扱うのは難しい。
やはりプールは、所詮プールなのだとこれは思う。
>>11177 夜草織 さん
返答を聞いて少し安心
「怪我がない?のなら、良かったです。」
暗い水、特殊体質なのかなぁと思ったけど。
聞かないでおこうかな。
「ご乱心?
そうかな、そうかもね。」
「でも仕方無いじゃん。やりたくなったんだから。
本当は、お水ぜーんぶ真っ黒になったら良かったけど。」
そこまでは出来なかった。
でも……
「……」
そうれすかと返しはするが。
どうもおかしい気がしてならない。
裏返ってはいなかったが、上擦って聞こえた。
眉が下がっていた。
「あぅ」
「……血…なのでしょうか」
「……お怪我なら、治さなければいけませんよぉ」
血にしては黒いけど。
「飲むひとはいないと思いますけど」
「非常時にどうしようも出来なくなりましたねー」
これをシャワーで浴びたくもないしなあ。
知らなければまだ、だったんですけど。
流石に目の前だと遠慮しちゃいますね。
「…………元よりその水は飲むための水ではない。問題はない。」
「しかし、随分なご乱心だ。 さぞ狂いたがりのように見える。あるいは注目を引いたいか。」
ちょっと喋りすぎてるかも。いつもと比べて。
「牛乳に一滴のコーヒーが入っても牛乳ですし」
「どれだけ溜められていたか怪しいプールに、
少し墨色が混ざっても、謎の水は謎の水ですね」
前者は未だ言ってる。ムキになってるかも。
注目されてるのに気付いて、手を引き上げた。
パッパッと水気を払った。
「……なぁに?」
「ちょっと遊んでただけだよ。」
「まあ、飲むことは出来なくなったかもしれないけど。」
自動洗浄機能とか付いてたら……その内綺麗になる可能性はあるけど。
「……」
募金をとられた、と医者に言っていた子。
公共から募ったものに対して、怒るのに。
公共の場を汚すのだな、と静かに見ている。
「あ あれ?繭様たくさん食べるんれすねぇ」
「ご飯は確かに食べられるんれすけどぉ…」
「この間は支給されたブロック、ほんの少ししか食べられませんでしたのでぇ…」
食べれるのはみていた。
砕いたものを与えていた。
予想外のラインナップにびっくりしていた。
食べさせてあげられたらよかったのれすが…
いいかけたところで。
「…はぅ?」
プールの方を見る。
ちゃぷ、ちゃぷ。
会話をしながら、プールの水をかき混ぜていた。
少し黒っぽく濁ったが、流石に大きなプールの水を真っ黒にする事は出来なかった。