『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「さっき布団作るために使ったんだけどな。
まぁ使い切れねぇわ。せっかく節約したのに。」
こんなんだったらもっと煙草買っとくんだった。
まだあんのかな。まぁ今更良いか。
「今400資源で雨水買えるらしい。」
最高の贅沢できます。
「はい、俺それでいいです」
詳しく聞かれない方が楽です。
擦り寄られない方が好きです。
だからこんな所にいるんですよね。
「もうゴミになっちゃいますからねえ」
「お金余っちゃったな。俺も」
「まぁそんならいいか。最近の若者ってみんなテキトーで困っちゃうワ」
今一番楽な態度ってんなら別にいい。
なんだかんだと毎日顔合わし言葉交わしたがお互い何も相手のこと知っちゃいない。
そんなことしてる間に死ぬ時間が迫ってる。まぁ、そんくらいがちょうどいいわな。
クソガキとクソジジイなんていうのは。
「焼いた資源も入れちゃお」
どうせもう死ぬから何やってもいいだろ。えいえい(ジュワァァァァァァ)
「素ですよ、普通に。俺テキトーなんで」
穴ぼこだらけでも痛がらないくらいですから、
こんなもんが痛い訳は無いんですよね。
お湯が赤くなっても、まあ。しょうがないかなって。
どうせすぐ死ぬから。
「おれはおっさんだから当たり前なんだよネ」
おっさんがおっさんなのは当たり前なのでダメージ無いです。
まァ~そんな穴だらけで痛がったりしてんの聞いたこと無いからな。
なんかそういうもんなんだろう、みたいな認識だけある。
「どうせ死ぬんだから素の反応でもしときゃいいのに」
「まぁそれが良いなら別にいいケド」
少なくともあぁぁぁぁ~…ってなるような温度と傷ではないんだよね、それ。
深く追求するこた無いけどね。どうせすぐ死ぬから。
「嘘じゃないっすよ」
ホントホント。
熱湯でもお湯が染みても関係ありません。
何故なら藍にはさっぱりわからないからです。
「あとおっさんくさいのはそっちね」
「とげとげお兄ちゃんの事を言ったんだけど、お兄ちゃんは変態のクソジジイなの?」
話が噛み合ってない交通事故かもしれない。
でもそういうことになってしまうのです。
「…………」
普通に入ってんなァ……。熱いだろうに。
そんで、傷だらけの足も普通に入れる。
湯気だったタライも赤く濁ってくんだろな。
「おっさんくさ~い」
「そんで嘘くさい」
「あれを楽しいとか楽しくないとかで言うのは違うと思って」
「あとジジイは普通のジジイっすよ」
「期待しない方が良いっす」
「変態のクソジジイ」
「まるでお兄ちゃんは楽しくなかったみたいに言う。」
「木枯おじさんに嫌な事ばっかり言うから、最初は嫌な人だと思ったけど
ちゃんと忠告とか注意とかしてくれるし、結構いい人だったりするよね。」
「口がかなり悪いだけで。」
「はいはいどうも」
もそもそ靴脱いで靴下脱いで。
裾まくってちょっと傷が開いて血が出て。
まあタライは専用なら良いでしょう。
アチチでも分かんないんで平然と足つけちゃいます。
「あ〜〜〜〜……」
と、なるのが普通の人間なのです。
「つまんね~こいつ。つまんなーい」
「ほれ、足くらい自分で入れれるだろ。」
タライ風呂なのでまぁ、汚れてもOK。
傍においてやるからあとは自分で入りなさい。
「戦いは忘れるように言われてるので」
「別に思い出じゃないですよ」
なのでもう忘れました。
しかし同時に憂うもしなきゃいけません。
大変ですね。
「でも楽しかったんだと思います」
誰かがね。
「ムカつくなァ~こいつ。最近のガキはこんなやつばっかでよくないよな」
仕方ねぇなァ………タライに水入れて日にかけたらまぁそんな時間かからんわな。
風呂よりはちょっと暑い温度にはなるかも。まぁ我慢しろ。