『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「えっお前ドロボーなん。
バレてんのに生きてんならそんなに厳しくねえな皆」
甘ちゃんどもぉ、なんて
「だから殺人もまかり通るんだろな」
ものすごく現実的な意見が聞こえてきてあぅぅ…となっていた。
善人で溢れていて欲しかった。
「アゥッ あ 悪魔!!!!!!」
飛び退いた。
「ナハハ〜〜、言えてら。
いや善人とかじゃなくさ、じっとできねえ奴もいんだなァって」
手厳し〜〜、なんて、この男は笑う。
「ま、結局自分の味方は自分だけだわ。
俺はわかりやすくていいと思うけどな」
「一緒じゃだめ……?」
心配になって一言、おねだりするけどそれきり。
「あまり考えたくないことね……。
私に何ができるわけでもないのだから……」
>>8358
「レイラは私。有難う。でも大丈夫…よ。手当てして貰ったから。」
左腕に包帯が巻かれているのが見えるだろう。
「資源、自分の為に使って。」
「殺人鬼クンが紛れ込んでるなら是非ともお話は聞きたいところだよね~
いや……殺悪魔鬼クンか……?」
外から戻って来る。スタスタ。
「出入りしても…いいれすか?」
「はぅ…」
あまり繭の子は置いていきたくないのだけれど。
行かなければいけないと思った。
後で繭の子に許可とって。1人で向かうかもな。
「…不安と、焦りと…」
「…資源が空なら…奪うことを考えてしまうのでしょぉ」
「…これだけの人数いるのですから、協力を考えたいものなのに…」
大人しくするべきだったのだろう。
「偽善も自己満も、所詮は他人の評価。
祈っても死者からは何も返ってこないんだから。自分の割り切りの為にやるのが一番よいよ」
「逆にさ。生きてる人間の方が怖いよ。皆で大人しく? それが出来れば何の苦労も無いんだって。
誰も彼もが善人だと思うなよ」
「そう……なん……だ……」
襲われたけれど死にはしなかった。
でも襲われ続けたら?
ナイフで心臓や首筋を切れば人は簡単に死ぬ。
……死体はこの先増えるんだろうなとわかってしまった……。
「……………。」
「生きたいからやってるひとと、そうじゃないひとがいると思うケド」
「ん-、そだね」
「殺すまでやるのは、それ自体が目的もあると思う」
「だって一回襲われたらさ、ココの共有資源取れない限りはカツカツなわけじゃん?」
悪魔クンはすっからかんだったけど襲われてたワケで。
「いると思うよ、そゆひともねー」
「しかしまあ、人殺しなあ……
やる意味がわかんねえんだ、やっぱ」
「皆大人しくしてりゃ助かんだろ?
少なくともそういう話じゃねえか」
「……それとも、助かりたいとかどーでもいいんかね」
「むむ……少し眠くなってきました。少々お休みさせていただきますね……」
言いながら適当な壁際に座り、目を閉じる。
「霊安室は勝手に作ったものだし、勝手に出入りしていいと思うよ。
あるのは死体だけだけど……お祈りなり何なり済ませたいなら、ご自由に。死んだ人も祈られて、少しは報われるといいけど。
自分が気が楽になること、してこうや」
「…あぅぅ……」
寄りかかられれば少し小さくなる。
あなたを助けると思って、と言われれば、多少深呼吸してみせた。
落ち着かなければ。落ち着かなければ…
息を整えれば、頭の中の騒ぎも多少マシにはなったか。
レイラさんとまゆこさん
頭の中で反芻する。
「あの、よかったら、どうぞ・・・?」
包帯などを差し出そうとするだろう。
断っても良い
負傷者はこの子れすぅと。
隣にいる繭の子の方向いて。
「…うぅう…」
「死んだあと…早く都市に運ばなければいけないのに……魂が迷子になっていたら……!」
きっと不本意に殺されたのだろう。ただでさえそうなのに。
導き手がおらず、彷徨っている魂のことを思っていた。
そんなのあんまりだ。
「…霊安室…」
だから覗きにいきたいものだったが。
その場にいなかった者がいくのもな。
ロビーの板にれすねぇ、と息を呑む。
悪趣味さを感じて、涙が出た。
「アン……。落ち着いて」
「私を助けると思って……」
と言えば言うことを聞いてくれるかしら。
気持ちを抑えつけてしまうかもしれないけど、
取り乱すよりは落ち着いていたほうがいい。
身体を傾け寄りかかった。
「皆平和なとこにいたようで。
いいねぇ、ここじゃ足枷だけどな」
息を吐く。少し臭う気がする。
気がするだけだ。だって水になど入れるか
「気になるんならロビーでデケえ板見たらいいぜ」