『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
悪魔オモロスは資源を R1 棚に返却した
あまり見えていない視界、精神的には有利なのかもしれない。
しかし聴覚や嗅覚はしっかりある為に、呼吸をあさくすることしかできない。
まだ、浅い息。止まる事はあるか。
「服の替えにはもう一個使いましたから」
「これ以上は、他の人の分です」
この期に及んでまだ残ってるなら、それは使ってもいい分だろう。
やっぱり優しさなんてものではない。
「悪魔流の追悼だと浮かばれなさそうですね、あまり」
堕落もいいものかもしれないけども。
「スベリ」
「少し空ける。その間"堂"のメイドは任せたよ」
なぁんて、まるでお出かけにも行くかのように軽く口にすれば。
「掃除は戻り次第やる。そん時手伝ってちょ」
よいしょ、と。スーツ姿の男を米の様に抱き上げて。
すたすた、歩いて行くんだろ。
「他にも治療品くれた人間クンらはありがと~~~。」
「オレも悪魔流追悼をしたい所だけど~…… イタタ 人間クンらに任せたぜ……」
『こちらは自動放送です。』
ザザ、ザ……
『……この不具合の原因って結局なんなんですか?』
『簡単な話だ。この空間はすべてを空間内で完結させている』
『……というか、そうならざるをえなかったと言うべきか』
『つまり……?』
『何も、資源は無から湧いてるわけじゃ―――』
ザザ、ザ……
『次の[快晴]は推定約六日後です』
また放送が流れ始めた……
「ガキにさせたかねぇなァ~こんな仕事」
「メイドは来るやつに挨拶でもしとけって」
とは言うけれど、まぁ。
絶対にさせない、ってほどじゃない。やらせたくないなぁってだけ。
【霊安室】、そうだな、そういう場所を作るかな。
「包むものって言ってもな、まぁ、カーテンくらいだわな」
「後々欲しくなってもしらねぇぞォ~」
ともあれ、暫く考えては。
「んー……手伝うよ、おじさん」
「使われてなさげな個室1つ借りて、其処が一番丸いかも」
【霊安室】代わりに、とかね。
「…………」
死体にぎょっとする、けども。
見たのは初めてではない。憂鬱そうな顔へと変わる。
「……包んであげるものを、用意しないと」
「可哀想です。室内でも、放り出されたままなのは」
埋めてあげることもできないなんてな。
悪魔オモロスは資源を R1 持ち出した
まぁ……資源のことは良い。ひとまず、は。
「……運ぶわァ、そいつら」
転がって動かない奴ら。
知り合いでも居るってんなら譲るけど。
そうじゃないならまァ、年長者の義務ってヤツ。
「」
「しかしまあ~今後はどーかな~?
オレの襲撃者クン!この状態からでもオレを狙ってはくれるのかい……?
懐から取り出した袋を、ぶら下げながら棚の方へ。
逆さまにした袋からは何も落ちてこない。
「低気圧、ですかね。
とりあえず、怪我してると思われる人には渡したので後は言ってくださいよ」
「コレも、なんとかしないといけないんですから」
死体2つ。
>>7381
「……!あ、ありがとうございます」
引っ張ってもらい再び身体を起こし、一度深呼吸をすると、今度こそロビーの方へ向かっていった。
「確かに、変と言えば……変ですね。
もう奪われている相手を、さらに奪おうとするなんて」
私怨。あるいは歪んだ愛。ぞっとしない話だ。
「善性も秩序も、なけなしですけど」
「悪意で応えられない辺り、私も安心できます」
「そして改めて、おかえりなさいませ」
カーテシー、カーテシー。
「本日もご来店頂き誠にありがとうございます」
「どうぞご自由にお過ごしくださいな」