『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「……アナウンス無しで追加された奴は知りませんが」
「さっき、僕が来る前に追加されたとき」
「……扉が開いた中庭で、雨に降られた人が溶けて死にました」
「同時に、資源の追加アナウンスがありました。ぴったり、1秒の狂いもなく」
カーテシーは送れない。
それどころか、震えて、震えて、震えて。息を吸って。吸って。吸って。吸って。
過呼吸気味なソレが、止まらない。
「棚バトラーで取ったのが1回目。
悪魔が全部持ってったのが2回目。
今しがた配備されたので3回目。分割して入った量を見るにおよそ1500。ずいぶんな量だよな」
震える手で、資源を投下する。
現れるのは────カピカピに乾いたパンに。ぬるい水のボトル。
「これしか出てこないんですよ!!!」
今までにない、激昂。
"ダリア"は"ダリア"に食料品をおくった
「資源……パーティの足しにできるかな」
少しだけ貰っていこう。
「……ダリアさん、本当に大丈夫ですか?」
片割れに近づいて。
心配そうな表情を見せる。
「………スベリさん、ダリアさん、またね。」
ダリアさんの方は様子がおかしいけど、掛けれる言葉が無い、
追加資源のアナウンスをよそに、食堂を後にする。
「にゃ」
少し寄ってみては、ここはいつも通りだななんて感想。
端で丸まり、ゆっくりと時間を過ごせればいいのだが…そうはならないと、薄々気付いてる。
「……資源はちゃんともっています」
「ちゃんと、望みの物を支度出来る筈だったんですから」
トーノの言葉に、震えたまま。言葉は変わらず続くもの。
「追加資源には期待していませんでした」 「が」
レイラは資源を R400 持ち出した
スベリは資源を R100 持ち出した
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
静かに、カーテシーで見送る。震えが止まらない。
これじゃ、だめだ。せっかくすきなものをきいたのに。
これじゃ、だめだ。いままではちゃんとしたものがでてきたのに。
これじゃ、彼女みたいには。
見たこと無い姿のダリアちゃんを見る。
「………え? もしかしてパーティで自信満々に何でも頼もう!って言ってたの、追加配備に期待してたの?」
メイドの2人の無事を見れて安堵する、ダリアさんの方は…少し心配だけど。
資源の方は…もうどうでもいい、ただ楽し気に持ち出す姿に嫌悪感だけ。
もっと慎ましく持って行けば印象も違うのにな、深く溜息。
「流石は悪魔。僕たちに勝負を仕掛けてきただけはある」
貰った側が何を言っている。
「本能かも……」
これが命を繋いでいる自覚はある。
「これも大罪の一つだからなあ!」
「これはパーティの軍資金にするとして……
オレもひざしクンらを追ってこようかな またパーティで〜」
ひらりと手を振って、部屋を後に。
「………」「え、えぇ」「い、いらっしゃいませ」
震えを殺しながらのカーテシー。
「ど、"堂"のメイドは、此処にいます、よ」
悪魔オモロスは資源を R500 持ち出した
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
返事の前。箱を見やる姿。
開く。閉じる。開く。閉じる。開く─────
「────はは」
あぁもう。本当に。うまくいかないや。
「あ、ごきげんよう……!」
声をかけられ、カーテシーでご挨拶。
「はい、私たちは二人でいますよ。
ずっと一緒です」
なんて、笑みを返そう。