『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「……毛糸……」
残念、毛糸は出てきませんでした。
代わりに水鉄砲が出てきました。
なんと2つ目
既に一つ持っているのでした。
綾川 遥希 は 嗜好品 を得た。
綾川 遥希は資源を R20 持ち出した
綾川 遥希は資源を R20 持ち出した
彼女からもらった食料と、最後だからとささやかながらお菓子をいくつか。
それと……もうひとつは秘密。
最後を飾りつけるためのほんのささやかなサプライズ。
「……最後の晩餐ってやつなのかな」
「ユダはもう、随分と前に居なくなってしまったが……それも沢山」
猫 ですは資源を R30 持ち出した
「………いいね、私もなにか貰おうかな………」
煙草は、というと………まだある。じゃあお菓子とか何か、貰おうかなと、もう少し頂いていこうか。
結局、猫はまた人の優しさに助けられて
人の優しさに触れてしか生きてこなかったのですね
「……貰って、いかせてもらいますね」
「猫もなにか、恩を返せたらよかったのですが」
でもやっぱり、ありがとうとしか
言えませんでした。
猫は不器用で、言葉っ足らずでした。
綿積雫 は 娯楽品 を得た。
綿積雫 は 嗜好品 を得た。
綿積雫は資源を R70 持ち出した
「…………まったく、善行は積むものだね。ハハ……」
人助けをして、感謝されるだけでも。感謝されなくても十分だったのだ。
こんな場所で、まさか返って来るなんて。
悪魔さんといい、なんとも温かい地獄なのだろうか。
「……じゃ、僕も少しばかり」
綾川 遥希は資源を R10 持ち出した
「ありがとう。………あの子には、してもらってばかり、だな。」
自分がしてやれたことといえば、撫でることぐらいで。
「………どうしよう、もう少しだけもらっていこう、かな」
戻された資源を見て。
あとやることを思えば、この資源が何であろうが、どうでもよかった。
ただ、ありがたさに、優しさに感謝するばかりで。
そっと、頂いていこう。
「構わない」
「…そも、持っていたのは、この為だからな。」
「その棚の物も、君達の好きにしてくれ。私は、君の最期が少しでも穏やかであって欲しいと願う。」
そう言って、また人のいた所へ戻る
「……スズメさん」
「……いえ、ありがとうございます!」
何も返せないし
何もしてやれませんし
なんなら、猫は警戒されていたようですから
……それでも、ありがたくって。
ありがとうとしか言えなくって。
「………え、」
「スズメさん………、いいん、ですか?」
渡されたから、そのまま受け取ってしまったけれど。
受け取ってしまったからには、返せはしなくて。
「………ありがとう」
何も、できることはないけど。
笑って、お礼ぐらいは、言えるから。
スズメは資源を R200 棚に返却した
「ん………まあ、そうだよな……。」
「………どうしようか、……」
とりあえず、何にもありませんから。
お腹は空いてはいますが、ないなら諦める他なさそうで。
あと、できることと言えば………このヨーヨー、で遊ぶか、何もなくてもできること、ぐらいしかなさそうで。
「正直、今更って感じではありましたが」
自分たちは"この選択"をしましたが
他の人たちは別の選択をしているのでしょう。
最後まで抗って、生きようとする人達。
猫は別に生に抗うことはしませんでしたが
自分だけ生きたところで、何もないですから。
「…………ま、そんなものだとは思っていたけれどね」
食堂について早々に、からっぽの棚が目に入る。
とっくに誰かが持ち去って行った後のようで。
「ハハ、最後まで苛ませてくれるじゃないか。この部屋は」
気だるげに毒づく。
きゅうって鉄の擦れる音を鳴らしながら、元の姿に戻った。
ああ、やはりこれは落ち着くな。
汚れたような薄汚い色だが、何年かを共にした相棒。
手放せないし、これをしないとなれないもので。
しばらくして、また眠りにつく。
浅い眠り、この猫は夢をみるか。
寝静まってる間に、日記を書き終えた。
布一枚通して見る世界とは全く違う、澄んだもの。雨が鮮明に見えて、なんだかすごく嫌な気分だった。
それでも頭は澄んでいて、考えは巡り巡る。
黴気味たパンをひとつかじって、ぬるい水で押し込んで。
誰にも見られていないことを確認しながら日記を書いた。
もう、そろそろなの?
浅い息、まあだだよ。
目を覚ました。まだ、隣にあるもの。
よかった。安堵しながらも、不意に思い出した。過去のこと。
また、静かに涙を流す。
それが見えるのは、わたしが溶けていなくなる直前までないだろう。
④子は資源を R500 持ち出した
『資源倉庫への追加資源を配置しました』