『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「悪魔の囁きは時に的を得ているものさ……」
「餓死でいいんじゃない~?
絶食修行のつもりでやれば楽しいさ!
もしかしたら仲間もいっぱい出るかもしれない……」
「他は~窒息とか~失血とか~」
「なんだよ真っ当なこと言いやがって」
「……はァ。どういう死に方がいいかね」
「プールだけは、いやなんだよな」
伽藍洞のそこで、ぼやいている
「ンー そうかい。カンダタだね~。」
「ま、真面目な話としても渡すってのもいいのかもしれないねえ~。
自分で食い潰すよりは人に渡して、いざという時に使って貰うのさあ。
今死んだり傷付いてる面々に助けたいのがいるのでもなけりゃあね……」
「棚に全ての資源を突っ込めば…… 楽になれるかもしれない……
そうすれば悩むことなんて無い、捨てれば考えることもなくなるんだ……」
悪魔オモロスは資源を R1 棚に返却した
「…………」
誰もいないか、いても片手ほど。
床に座り込み、大きく息を吐いた。
「……もう何もわかんねェ」
「面倒くせえ……」
頭を抱えた。どうしたらいい。
悪魔オモロスは資源を R1 棚に返却した
悪魔オモロスは資源を R3 棚に返却した
悪魔オモロスは資源を R2 持ち出した
悪魔オモロスは資源を R2 棚に返却した
悪魔オモロスは資源を R1 棚に返却した
貴女の手を取って。
「本日も、お疲れさまでした」
「どうか良き夜をお過ごしください」
カーテシーをし、片割れの後をついていく。
「ま、良い具合だしね」
こんな所でも息ぴったりだ。思わずくすくす笑ってしまった。
そうして、貴女の手を取っては。入口まで歩んでいき、くるり。
「本日も、おつかれさまでした」
「どうか、明日も良い一日を」
静かな"堂"。客も少ないその場へと、カーテシーを送るのだ。
そうして、今日もメイドは去って行くのだろうな。
「そうですね。本当に、賑やかでした」
「……ふぅ。
さて、こんなものでしょうか」
掃除した場所を見回して、道具をしまう。
そして、貴女に視線を向けて。
「今日はこれで退勤しますか?」
と、尋ねるのだ。
「……さて、と」
まぁ、完璧に掃除こそ終わらないだろうが。
それでも良い時間潰しにはなり得ただろうか。
「退勤よーうい」
さらり。布切れを取り出せば、其処へ託された伝言を書き記し、目につくキッチンの上。
痕跡が無いのが存在証明……なるほど。
なんとも私達らしいものだろうか。
「ふふ。……ほんと、今まで賑やかだったな」
今じゃ数える限り。この場所の広さを、改めて実感するものだ。
片割れの振る舞いを見れば、やはりベテランだなぁ。
自然と、その頬へも微笑が浮かんでしまうもので。
「そうですね……!」
こちらも道具を手にテキパキと掃除をしていく。
片割れの様子を見ては、立派なメイドさんだなぁ、なんて思いつつ。
掃除をするということは、痕跡を消すということ。けれど、綺麗であるというのも誰かの手が入らなければ成し得ないことで……二人がいた存在証明にはなるかもしれないな。
「こゆ時じゃないと出来ない場所とかもあるしねぇ」
そうと決まれば動き出しは早い。
道具を取り出し、戸棚の埃や無数の指紋や何とも分からぬ汚れ。
それら全てを、拭き取っていくのだろう。
誰かが此処に居た。誰かが此処に屯していた。
いつかはその痕跡すら、全て綺麗さっぱり消えるのかしら。
…さて、そうと決まれば何をするか、だが。
「…人も居ないし資源も無い。そんな"堂"で出来る事と言えば~」
「……ちょっと掃除でもしちゃうか…」
掃除したとは言え、此処は少々他よりもだしさ。
立つ鳥跡を濁さず、とも言うけれどね。
「ん~……」
ちらり、改めて。此処数日の中でも一番静かなこの場を見渡し。
「……もう少しだけ待って、それまでに見かけなかったら、でどう?」
「いやぁ……ちょい憚れるんだけど…」
スベリが気にしなくても私が気にするっつーかぁ……
「ぁー……。……どーしても、な時は…そーさせてもらうわ…」
こういうトコに限らず、スベリが結構頑固な所は知ってるし、さ。折れるのだ。