『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
いつも通りの位置に立ち。
悪魔はあそこで大丈夫なんかね。まぁ本人の意志に任せとく。
「まだ誰かが誰かを助ける心の余裕がある。それだけが救いだわなァ」
なくなっていく資源に目が瞑れなくなった時が、陣の終わる時だろな
「2度刺されたら普通、結構亡くなるんですよ」
良く生きてるもんだな。悪魔だから?
「……いつも通り陣は遠巻きに眺めています」
「逆にそれが定位置になっちゃった」
悪魔が来ると、ちょっと嫌そうな顔をした。
さっきの事で悪魔が嫌いになったかも。
「……あの人名前何なんだろ…とにかく、白衣の男の人、お医者様?を見掛けたら教えてください。」
「やった~ サバト3日目開催けって~い~。
1日目は1度、2日目は2度、じゃあ今日のオレは何度刺されるかな……」
入口の方に立つ。
「やりたいやついるならやるかァ~、陣」
別に何の効果もありゃしないけど。
まぁ、日常風景みたいなもん。
あったら少し気が紛れるってやつもいるだろし。
「ま、ルーティーンも定まり出す頃合いだしね」
資源に関しての話題も、些か当然たるものなんだろうな。
「個室に居たからその辺の情報は皆様に一任しまーす」
「陣に関してもお任せする流れな感じ?」
カーテシーでの出迎えは、忘れずに。
さっきお医者様はいたような。今はいないかな。
「皆さん、お変わりないようで何よりです」
「……何も起きないといいですけど、今日は」
「それよりも、起きた時の備えも……しておかなくちゃ」
「……資源、カツカツの筈ですもんね。」
何回か棚を空けたり閉めたりして、やっぱりない事を確認してから。
「すみません、白衣の男の人、居ませんでしたか?
ちょっとお話があって。」
「お疲れさまです。ごきげんよう」
もう一人のメイドもローラーシューズで器用に歩きながら現れ、カーテシーでご挨拶。
「この時間はやっぱり賑わいますね」
「聞き届ける人がもう、いないのかもしれませんね」
「一方的に声を投げかけられるだけ」
最悪、自動通信しか生きてない可能性も考えたけど。
考えて仕方ないことは、言及しない。
「……あと何日保つかな……」
入れられていた分を思うと。その全てを食料として分配しても、
到底人数分に足りはしない。憂鬱だ。
「……本当に」
「しょうがないことだと受け入れたとしても、奪い合いが発生している以上……」
通信機の先はわかってやっているのだろうか。
コツ、カツ。整ったヒールの足音。
扉を開けばまたひとつ、静かな一礼。
「おつかれさまでーす、と」
メイドが出勤してきたと言うことはそういうことでしょう。
「おぉ、盛況」
ちょいちょい人が増えてきたな。
みんなが活動的になる時間。ってぇともうすぐ停電するのかも。
「おじさんのおじさん部分に駄目だしされた気がする…」
「じっくり語り合って同じ時を楽しむような優しい愛を育もうかな……」
若いと言ってくれる子もいる。
やっぱ小さいガキほど可愛らしいんだよな……いい子に育っておじさん嬉しいワ…
「それはそれとして」
「そろそろ警戒しとかないとかァ~」
「なんでもない話をすると……」
「自分が、そういうところから来た人であること」
「覚えてて、いられるようなきがします」
傘をさして、佇む。彼女なりの警戒の仕方、かも。
「それに、ずっと気を張ると疲れてしまいますから」
「ガツガツするのもよくないのは……そうですね」
「極端になってしまうのも、やっぱり……歳によるものなのかな」
なかなか辛辣な物言いであった。
「…………この期に及んでまだ浮ついた話を。」
「ここで愛を育んだとて、ここから出たらどうなる?」
ぺたぺたと歩いてきて、早々にそう吐き捨てた。