『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
ギャンブル好きの男、絶対将来女とか殴ってるワ。
「まじで生き返ったらなんか怖いだろ……」
「でも別にここってあんま露悪的な施設じゃなさそうだからなァ〜」
嘘の品で希望持たせてせせら笑うって感じじゃないよなここは。
「本当にマジで今の話と関係ねェんだけど」
「蘇生薬ってなに?生き返んの?」
ラインナップにあるひときわ高額商品。
そんなわけねぇだろ、というのが多くの現代人の感想だろけどな。
えー産地偽装一件発生、と……
「来なかったとしたらお前が化け物だったってことだね。」
「化け物嫌ってた奴が化け物なの、いいミステリーだなァ〜。ネタにしよっかな」
臭くねェっつってんだろ。
紛れたならよかったネ。配給まであとどれくらいやら。
国産牛肉100%ハンバーグなので問題ありません。
勝手に合い挽きになっていてください。
「祈っておいたら良いんじゃないすか?」
「そんな日は来ませんけどね」
相変わらず腹へりは腹へりですが。
気は紛れたかもです。
悪臭で……
言葉に年齢も国境もないよ。
俺もお前もちゃんと素直なカスだよ。どっちも合い挽き肉だよ。
「俺は現実を見たのにお前と来たら……」
「決め付けでしか喋んねェなァ〜こいつ。
早く臭くなって現実にたたき落とされてくれェ〜」
こんなに喋ってたら余計腹減りそうだな、今更ながら。
な訳ない。
おじさんの言う素直と健全な青少年の言う素直では、和牛とアメリカ産ビーフくらい違います。
「ドリーミングジジイよりイタくないんで平気っす」
「絶対嘘。アポクリン汗腺」
素直ってのはこう言うことなんだよ……一緒、だね……
「ここが法の及ばない場所でよかったな。法があったら大炎上だぞ」
「へぇ〜キショ〜」
「めっちゃ痛いね。後俺も結構汗腺もう死んでるし」
年で。
最悪の羅列してるだけでは?
「差別対象でしょうが」
「残念ながら問題ありません。俺の汗腺は死んでいます」
「あと俺は妖精さんなので常に良い匂いがします」
俺だって素直に風呂キャンの可能性を提示する素直でいい子だが……?
「おじ差別だぞてめェ。そんな臭くねェ〜から!」
「てかお前もそろそろ匂いだすからね。水だけで年頃のオスの体は浄化されねェから」
くせェ上にトゲトゲの最悪のガキになんだよお前も。
「そんな事ないすよ」
素直な良い子でしょうが。
風呂キャンしようとするおっさんより。
「絶対しない。有り得ない。つかキモイ」
「その悪臭で殺されないと良いっすね」
どこにいても匂いで分かるかも知れませんよ。
「じゃあ周りが甘すぎるパターンだな……それかお前がずっと猫かぶって生きてきたか」
素直だけどいい子なわけないよ、その態度のやつが。
「はァ〜!?加齢臭はまだしてないし……」
「嗅いでもねェくせによォ〜。これで俺がお花の香りだったらどうすんだ」
別に匂いでドン引きされたわけじゃねェよ。
風呂キャンの可否で意見を貰っただけで……
「都内の一等地ですよ」
嘘か世紀末です。
「逆に気にしないのマジヤバいす」
「既にガチ臭い。マジで。加齢臭に煙草臭って最悪の極みですよ」
思い出してください。
四子だってドン引きしてたでしょ。
「周りがめちゃくちゃ善人なのかめちゃくちゃ無法なスラムに住んでるのか、二択だな……」
「お前は逆に生きるか死ぬかの時によくもまぁそんな色だの匂いだの気になるなァ。」
「とはいえおじさんにも黄ばんだり臭くなるのはちょっとな……という乙女心はある。おれもタバコの銘柄を呟いて紛らわせようかな……」
「素直で良い子だと近所でも評判ですよ、俺は」
「今時煙草をやろうって精神が意味不明すね。風呂どころか歯磨きも満足に出来ないのにそんなん吸ってて良いんすか?」
「黄ばむし臭くなりますよ」
「多数決とかとってみる?絶対俺の圧勝だけどね」
自己分析のできてねぇガキだなァ〜
「腹減りすぎてうわ言言ってる奴に言われてもね」
「空腹も抑えられてメンタルも向上する。お得だろォ〜」
「別にトゲトゲしてないすよ。オッサンだからそう思うんでしょ」
そんな期待もしてないんでノーダメです。
「こんなとこでそんな無駄してるんすか。大人ってダサいっすね」
「ここで奢って貰えないのが普段トゲトゲしてるリスクだよネ」
奢りません。トゲガキなので。
「俺は今タバコを買い足すか悩んでんだよ。人の飯は知らん」
「めっちゃ可哀想……」
逆効果じゃない?普通に。
まぁ腹減るよなその年は。
「そんな腹減ってんなら資源と飯交換してもらえよォ〜」