『廊下』
薄暗く、色褪せた廊下。一切の破損はない。
絨毯は水にぬれ、だいなし。
中庭に面した壁は割れない窓になっている。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
『記録[
そんな~。の顔もしたが、道理である。
洗えば良いんです、洗えば…………。
気持ちの問題かも。
こくこくと頷いて、暫く手伝ってから貰っていくんだろう。
形はまあどうとでもなるので、どうにかなるだろうな。
どうせ重ねるし……。
「踏まれて無さそうなとこって無くないすか?」
自分達が来る前から、ここにあったかもしれないのに?
完全に気持ちの問題だ。現場見てなきゃ良いみたいな。
「自分で持ってってくださいね」
ザクザクベンッ!
50センチ四方で几帳面に切り取られた絨毯ですよ。
枕なら長方形が良いかもですが、形変わるの嫌なんで。
『いいの?』
『踏まれてなさそうな端っこ、ほしいかも』
『洗って、テーブルクロスで包んで、枕を作ってあげたい』
どうせ拉致されて来た身だから、器物破損とかも気にしない。
修理費が嵩めば良いと思う。
絨毯なら少し減っても困る人もそんなにいないだろうし。
無いよりは良いのでお言葉に甘えちゃお~。
『食い扶持に必要だものね』
毛布は食べれないので、代わりに……というのはわかる。
資源さえ払えば、というのは出来ても、資源は貴重だものな。
びっくりして遅れたものの、挨拶代わりの一礼をして。
『なるほど』
プールの惨状は見ていたので納得はした。
クッション代わりというのにも合点はいくし。
てこてこと自室へ戻る途中。
誤解が解けたので怯えた様子はな……。
なかったはずなのだけれど。
「………………」
は、破壊活動が行われてる……?
思わず立ち止まった。
「私も朝に寝ちゃったから、まだ早い時間」
精神負担がどうこうではないのはよかった。
こんなとこいたら誰だって生活リズムが狂う。
「みんなこんばんは」
「……絨毯が、切り取られてる」
ナイフ、便利だなあ……
「そうなんだ。綺麗好きなんだね。」
潔癖症と言う言葉には辿り着かなかった。
それと徹底的に無駄を嫌っている気がする…と少女は思った。
「いいえ」
「くだらない事で汚されるのが嫌なんです」
だから自分のものにしたいって訳じゃない。
し、欲しい奴にあげても良いんです。
このものに執着とかは、ありません。
「まー男の子なんで力持ちすよ。持ってけない分は取りません。他の人も欲しいかもですし、不格好なんで」
「寝るのはどうしましょうね。尻に敷くくらいかも」