『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
「……戻りましたか、王と呼ばれてた人よ」
待っていた者がここに戻ってきて。
時折咳込みながらも、
さて、とさわやかな笑顔で口を開ける。
「王……、いえ、マクベスと呼ぶのでしょうか」
「あなた様と――、周りの方々に」
「お伝えしたい事がございます」
「うむ。見ての通り無事である。」
特に何もなさそう。
「裏切り者がいたのか……静観していたぞ。」
話しかけられなかったみたい。
「おかえり、マクベス!」
ぱあっと顔を輝かせた。
「何ともないわね? 大丈夫ね?」
<「…………ロビー。
あたしを友達と呼んで裏切った奴が、いたのよ」
>>14655
「まぁ……アイツ、目立っていたものね」
「あたしの居ることの多いバンケットでは見たことないけれど、ロビーと食堂にはよく来てた…………」
続く言葉に、肩を竦めた。
己の身は、潔白とは言えない。
「…………それでもあたし、嬉しかった」
「信じたから、裏切られて悲しいんだわ」
「……この場所は思っていたよりもずっと、
他人を傷付ける奴が多いことも分かってきたけど、ね」
>>14633
「…私は、ロビーによく居たから。」
「あの男も、よく居た。それだけ。」
碌な会話もしていない。
ロビーでふざけた会話をしているのを眺めてただけ。
貴方のように、友達と呼ばれた訳では無い。
「友達……こんな場所で作るのが、間違いなんですよ。きっと。」
「裏では誰かから資源を奪って、私腹を肥やしつつ、傷付けるのを楽しむ人達ばかり。」
「……汚い。」
この少女は、諦めている。
資源の格差を、ロビーの惨状を見
「さよならすら言えない死なんて最悪だよね。命を弄んでるよね」
「消えたのがアタシだったらよかったのに」
ダメだ。メンがヘラってきた。壁を背にして床面に座る。
「オレは元気さあ。生には耽らなきゃあだ!」
「そ、ぴーぴー泣いてばかりでね。
あの泣き声が聞こえないのは寂しいモンだよ……」
「ン!興味深い情報があったらタレコミまってるぜ~
それじゃあまた、御機嫌よう~!」
ひら~と手を振って見送る。
>>14618
「…………アンタも、タチヤマの知り合いなの?」
アイツ、交友関係広かったなと思い返しつつ。
だから色々と慕われて、蘇生までされたんだろう。
結果は最悪だったが。
「……あたし、碌に友達なんていないのよ」
「そんな中でアイツは、あたしを友達と呼んで親しく接してくれた」
「…………嬉しかったの」
「裏切られたけど」
『悪魔さんがお元気そうで何よりだよ』
『そうかも……』
そう言えばでもなんでもないけれど、
連日お通夜なのは正しかった。嫌すぎる。
『心配だね……』
『少ししかお話していないけれど』
『泣いてばかりの人みたいだったから……』
『あちこち歩くから、何かあったら伝えるよ』
『教えてくれてありがとう』
もう一度一礼をして、そっと立ち去るだろう。
怖いな。怖い。色々、ちゃんと済ませておかないといけないんだ。
「休む人たちは、おやすみなさい」
「…………怖い話。悪かったわね」
「……でもまだしばらくは、
この話題、続けるかもしれないわ」
「やっほ~チマ人間クン、御機嫌よう、楽しんで貰えた様で何より!」
「ま、状況は何時だって事件現場で葬式で通夜さ。」
「や~、やだね~~~。あーあ天使。何処へ……」
余り来なかった場所だから、少し様子を見つつ。
「……今のところ、何か出来る事は無さそうですし。
帰ってくる?のを待つか…元の場所に帰れた事を願いましょ。」
それから、赤い少女を見て。
「貴方も、あの人に。そう。」
「……あんなに気持ちの悪い人をみたの、初めてでした。」
『そっか……』
『貴重な情報をありがとう』
『悲しいお話をさせてごめんね』
怖いよね、って。
おやすみなさいも添えて、一礼をする。
『……十分に気をつけるよ』
『どうか、皆さんも気をつけて』
『突然のお別れなんて、あんまりだもの……』
死体に縋って泣けもしない、お別れなんて。
死に別れよりも残酷なように思えた。
>>14590
「……俺も、寝る。ゲホッ」
「一緒に、寝ていいか。」
貴方の近くの壁にもたれかかりながら、小声で。男も少しは怖いようで。
「…………再現性がある出来事なのかは分からない」
「でも、下手に動かない方が良いのかも知れないわ?」
「……そう。転倒などではなく、“落下”なの。
今、こうやって触れている床を、
あのひとはいきなりすり抜けたのよ」
『あ、悪魔さん』
『あの一夜をありがとう……って言いたいけど』
『状況が状況だね……』
ゲーム楽しかった、を改めて伝えるにはちょっと状況が悲惨の一言だ。
一人だけ落ちる、なんて。どんなに寂しいことだろうか。
『あってしまうんだな~!』
『……嫌すぎる……』
「全く、ビックリ怪奇現象ってワケだ!
物理法則じゃ説明が付かない、なんて非科学的!
そんなことがこの現実にあっていいのか~!?」
『いきなり、落ちた……』
『移動してて、足を踏み外した……とかでもないんですね』
『……ここの床を……?』
そうっと床を見る。
……多分、何の変哲もない床があるのだろう。
でも、ここをすり抜けたのか。
「そうよ、その天使さん」
「いきなり、いきなり、“落ちた”のよ」
「あれは確かに、落下だったわ」
「床をすり抜けていたの」「あのひとは」
ひょこ、と顔を覗かせた。
既にいる人たちへ、丁寧な一礼をする。
『あの……モニター、軽く覗いたら』
『天使さんの表示が、観測不能になってて』
『彼女を最後に見かけたのが、ここだったから、来ました』
ちょうどお話の途中みたいだ。
来た理由だけ説明して、清聴の姿勢。
「あぁそうか、ロビー」
「…………あたしを裏切りやがった奴がいるわ」
「タチヤマ」「紫髪の男」
「…………気を付けて」
「ロビー行くなら気を付けて。
気持ちの悪い人達が沢山居るので。」
これは耐えきれなくて逃げてきた。
「あの泣き虫な天使の、ですよね……突然?前触れ無く?」
「そっか……脱出したとかなら良かったけど……」
これじゃあ何も分からないな。