『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
>>14261
「……ひゅ。
……ぅ……けほっ! かはっ!」
反射的に声に従う。大きく息を吸い込んで。そのまませき込んだ。
「……ぁ~……ぅぁ……」
嗚咽交じりの呼吸、辛うじてゆっくりと。
>>14266
「あ、探偵さん……。
予兆もきっかけも、何もなかったそうです。
ただ急に、床をすり抜けて落ちたと……」
「おー…… ……マージで消えちゃったんだな。天使……。」
「何の前触れも無く……か。完全に偶然で発生するモンなのかねえ。」
「踏んじゃいけない場所をビミョーに踏んだとか……?」
予兆無し、原因不明。証拠一切なし。
「……対策するとしたら、もうこの部屋は使わないようにする……ぐらいですか。
それにしても……」
どうして彼女が、と思わずにはいられない。
初日から泣いていた天使はよく覚えている。
慕われていたのだろう。すぐそばで泣いているのを見ればわかる。
「…………その子はついさっきまで、
この空間で普通に過ごしていたの」
「そしたら、何の予兆もなく、いきなり」
「……前触れ、何にもなかったのよ、えぇ」
「落下……そういえば何か言ってましたね」
「床をすり抜ける……。何ですかそれ、それこそ本当にゲームのバグみたいな……。
きっかけも予兆も、何もなかったんですか?」
>>14226
「やめろ!」
爪が割れないように、あなたの手を掴もうとする(回避しても全く問題ないです!)
「まだ、見つかっていないだけだ。落ち着くのだ。」
「かんそく、ふめい……?」
嫌な知らせ程まっすぐに、頭の中に入ってきてしまう。
「どこなの……? どこにいるの? アン……」
どんな痛みより深い傷。力なく呻く。
「………先ほどまでこの少女を撫でていた、そしたら『落ちた』のだ。下に。」
落ちた場所に指をさす。
「まるで落下したかのように消えていったぞ。」
「…………こんばんは」
「あたしの目の前で、天使の子が“落ちた”わ」
「壁や床をすり抜けて、いきなり」
「……その後の行方は、分からない」
「嫌……嫌よ……お願い、したんだもの……。
最期はあなたの側がいいって……お願い、したんだもの……」
「行かないでよ」
床に爪を立てて引っ掻いた。割れてしまいそう。
「……おや」
どこからか。
足を引き摺りながら、この場所へ。
いつものヒールの音は、響かない。
「……天使様は観測不明、となっておりましたよ」
「…………落ち着け、と言われても、難しいでしょうけれど」
「その怪我で動くのは得策じゃない、わ」
「………………」
「どうして、どうして動かないの!」
「こんなに力がないの……!」
声を荒げば消耗するだけ。
怪我をしていたのはかえって幸運だったのかも。
朽ち果てるまで歩き続けただろうから。
ひ弱な少女は動けない。
「ゲホッゴホッ……わかン、ねェ。何も。」
「そ、んで、テメェ、ちったあ、落ち着け!そこの白いの……!ゲホッ…」
咳き込みながらも落ち着かせようと。
「おれにはわからん。」
ロィナが言うのであれば、特性なのだろう。
「落ち着け、少女よ。深呼吸するのだ。」
無理な願いかもしれないが、パニックが伝染しないよう冷静に装う。
きえた? きえた?
私を置いて何処かへ行くはずなんてないのに……!
聞きたくない、分かりたくない、理解できない。
脳が直接揺らされて。
視界はブレて、世界はさかしま。
「アン……!!」