『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
「何故消えた、いや、あれは…………」
『落ちた』?
そういえば先程通信機で『落下』と言っていたような……
「まさか…まさかこの事が……『落下』か?」
「……っ!?ハァ!?、……ぐっ、ゲホッ、ゴホッ、ゴホ……」
目の前で起きた奇怪な状況に思わず大きな声が出る、が、それが原因で苦しそうに咳き込みはじめるだろうか。
「アン……? アン?」
繰り返しその名を呼ぶ、痛みを忘れて手を伸ばす。
全ては空を切る。
虚しい声がこだまする。
周囲の声はノイズのようだけど嫌でも異質さを理解してしまう。
「ねぇ……! どこ……!! アンはどこなの!!」
「…あの、顔の半分が包帯の人見てませんか…?
って、それどころじゃないですよね…多分……。」
周りの反応からもただの錯覚では無さそうだけど、間の悪い所に来てしまったと思う。
それでも一応自分が探してる人を見た人が居ないか、控え目に質問する。
「今日、襲われたのは、二人」
苦痛の中、じっとしていれば嫌な考え。
誰に襲われたかなんて、今考えても仕方がないのにね。
「もし、明日以降もまだ、実入りのない襲撃を繰り返す者がいるようなら──」
私の終わりを望む者がいるということ。覚悟くらいは決めないといけない。
「うむ。」
ただ頷いている。
「資源以外で……天使よ、おまえの機会があるときで良い。また歌ってくれぬか。」
貴方の歌声を結構気に入っているみたい。
A good eggは床壁を抜けて「落ちた」
撫でますよぉ、とあなたの頭を膝の上に置くか。
撫でやすい姿勢をとっている。
緩く頭を手でなぞった。緩慢に撫でる。
ちょっと怪我した血の匂いはするけども。
甘い香りに混じって。
「し、心配をおかけしてしゅみましぇぇん……」
ちょっと安心できたのでべそかいた。
「お二人は仲良しなんれすねぇ」
「生き残る…のを誓っているなら尚更れす」
「資材以外であのぉ、頼りたい事があれば…お願いいたしましゅのれ…」
ふやふやとした言葉を吐く。
「……そう、だな。」
「けほ、」
言葉少なに。男は壁にもたれかかると、ゆるく目を閉じた。
なんとなく、自分はもうだいぶ不味いと理解できていた。
「…………マクベス」
「貴方のその優しさに、あたしは救われた」
「でも……ふたりで一緒に生き残るんでしょ」
「余裕のない時に、無茶はしないでね」
「…………あたしを、置いていかないで、ね」
資源がかつかつと言われて顔が無い……
「心配になってしまってな。」
誰かがケガをしている姿を見ると、こうも胸騒ぎがする。
「無事なら良かった。」
「時々撫でて頂戴。
とうてい眠れそうもないし。お話も聞いているわ」
温かい羽に包まれる。
過ごす時間を1秒たりとも無駄にしたくはなくて、目は冴えていた。
横になる繭の子のそばに身を寄せた。
翼で包むようにして保護をする。
「おそばにいますよ」
「ゆっくりお休みください」
自分がしっかりしなければ。
>>13969
「機械から医者までですか?」
「…随分と手のかかるご病気ですね」
「…世界の医学レベルもあるとは思いますが…」
眉を下げていた。
複雑なものであること。
なのに、ここでもうすでに数日経過していること。
「…」
「どうか…早く出られるといいですね」
「…早く出て薬などが得られますよう…
>>13932
「……専用の薬だけじゃねェ。専用の機械に、専用の医者に……まァ、色々沢山だ。」
「それでも治りきるかっつーと、ムズいだろうな。」
とにかく此処ではどうしようもない複雑なものなのだと。
>>13938
「……ン。」
青髪の青年の、去り際の言葉には短い返答を。
「ありがたい…申し出ですが」
繭の子はとてもか弱い。
念には念を入れて治療を行いたいものだが。
近くの子がいう言葉が本当であるのなら。
「資源がかつかつであるのなら、ご自身のことを優先していただければと思います」
「…できることなら、いただきたいものですが…」
「こんな状況ですから」
「ありがとう。
怪我は、今ので十分すぎるくらい」
指折り何かを数える仕草。ここからはきっと減り始めるばかりだから。
「しばらくはここで、横にならせてもらうわね」
「……あと、そこの咳してるアンタ」
「…………アンタもアンタで、自分の心配をしなよ」
先日は大丈夫だとは言っていたけど。その時の去り際にも咳き込んでいたのを聞き逃さなかったから。
一応そう声を掛け、今度こそ退出。
瞑目。静観。
貴方の性質は、その優しさは知っている。
でもふたりで生き残るって話をしたから。
貴方には生きて欲しいんだ、よ。