『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
「…………」
覗いて行った人を見ていた。
すぐに視線を戻し。
どうにか、と言う話ではありましぇん、と首を横に張る。
傷は浅いようで一旦の安堵を覚えるが。
「………」
「これで手当は終わりです」
包帯を手早くきゅっと結んだ。
それから包帯を投げたあなたへ、ありがとうございます、と深く頭を下げるか。
「…?」
「専用の薬が必要ということですか?」
呟きに首を傾げながら。
「すぐにでもどうにかなるほどの、怪我ではないわ……」
手持ちが多かった分、体力を温存していた分だけ、傷は浅い。
怪我こそあるが、命に別状があるほどではない。
もっともこの少女は痛みになれていないから、苦痛に顔をゆがめるけど。
ここもそこそこ悲惨な状況だ。
しかしあげられる資源はひとつもない。
そもそも。
生きる理由が生まれた今、
他者になんて構ってられない。
「………………」
静観。
「あぅ、あああ、」
「当羽は良いのです、当羽は資材を失っただけでしゅから」
「お揃いになっては、いけません」
「いけません…!」
翼を広げた。羽をむしって血止めにでも使おうとした。
羽根に鉄錆の香り。染み入っていたが、知らない。
自分の痛さを置き去りにしていたが。
「…」
包帯が放り投げられたのを見た。
酷く咳を、している。のに。
「……」
──いけない。冷静になれ。
頬を叩けばお礼の前。
まずは繭の子の治療に移るか。
「……ゲホッ。」
血に染まる少女と泣く天使を一瞥し、包帯をそちらへと放り投げた。
「ゴホ、…………。」
あとは天使がやれるだろう、と動くことはなく。
「思った以上に目立ってしまったかしら。
お揃いね、アン」
力なく笑う。
狙われるかもしれないと、思っていましたが。
この少女に抵抗する術はありませんでした。
通ヰ路逢鷺はまゆこに医療品をおくった
>>13803
「…………信じるわ」
「信じているからね」
「あたし、貴方のその善性を、優しさを」
唯一、絶対的に信を置く相手。
「ぁ、」
「……っ、ま、」
「繭様…!!!」
裏返った声。
うずくまった子に駆け寄った。
いつも泣いている。今も泣いている。
「ゔぅ、……ゔー…」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「当羽は、当羽は、役に立ちません」
「資源が…」
空だった。
そばによることしかできない。ひたすらに無力だ。
>>13782
「おれは殺さん。王だからな。」
きっぱり言う。誓って殺しはしない。あの人も殺しなどしない、おれを救ってくれた人を失望させたくない。
>>13766
「あたしの同類は、ロビーに山のようにいたわ?」
「馬鹿みたいよ、馬鹿みたいだわ!」
「みんなみぃんな、人殺し!」
あはは、と笑う。
「…………貴方は、裏切らないでね」
「貴方は、貴方だけは」
>>13754
「……………………。」
長い沈黙。黙っている。
「……無理もない。この状況では……。」
とぎれとぎれの言葉。本当はそんなこと思っていないようで。
「……暫く安静にしているのだ。ここにいるのだぞ。」
>>13746
「………………」
資源か、と問われたら首を振る。
「…………いつも様子を見に行っていた友達が、実はとんでもない殺人鬼だったって」
「……そんな話」
「…………今更、よね」
「あたしは、信じるべき相手を間違えたんだわ」
偶然か、意図的な物か、繭の少女はそこに居ました。
一人で扉を開けれないほど非力なものですが。
うっかり扉を閉め忘れたか、あるいは、意図的に。
戸の隙間に布でも挟んでいたのでしょう。
幼虫のように、這うように歩んで……。
そうして少女は、その場にうずくまりました。
「ふむ。無事そうで良かった。」
無事なのは良いが……やはり精神的な疲れが皆から垣間見えると感じ取った。忙しないものもいる。
「む、どうしたのだ。ロィナ。浮かない顔をしているぞ。資源か?」