『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
足元のはるか遠くで、耳障りな何かが割れるような高音が鳴った気がする
「バンケットには、いなさそうだな、死人は。」
「いや、いねェのが当たり前の筈なんだがよ、畜生……。」
「じゃあ問題は、怪我人の方っつーことだ。」
不調の多い放送に顔を顰める。
「何とも無し……相変わらず、一文無しであることを除けば」
負傷は増えていないが、あとどれだけ体力が持ちこたえられるか。
三十時間程度なら耐えられるだろうか。
「………」
不調な放送を聞いている。
不調な放送を聞いている。
「…………」
「繭様……」
大丈夫かと様子を伺いに。
(中庭から見える天気が少し変わった……)
また放送が流れ始めた……
『空間安定値に異常を検知』
『『命綱』プロトコルを直ちに適用してください』
『「落下」の可能性があります。担当者は速やかに実行してください』
『資源生産用原料不足による不具合12件により、緊急プロトコルが実行できません』
『担当者は速やかに確認してください』
『死者を検知。緊急プロトコルが実行できませんでした。』
『バイタルサインに異常を検知。緊急プロトコルを起動します……』
ザザ、ザ……
ザザザザ……
『死者を確認、資源の追加生産を行います』
『……』
『資源供給システムに追加の不具合を確認しました』
『資源供給システムに五十件の不具合を感知。担当者は速やかに確認してください』
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
『資源供給システムの不具合を確認してください』
「……っ、」
「……ああ」
「……すっからかん、ですね」
歌ってばっかりいるから狙われるんだ。
底をついた資材の袋。
逆さまにしても、何も出ない。
『こちらは自動放送です。』
ザザ、ザ……
『……おい、何かがおかしくないか?』
『計測中』
『はい……』
『……管理人室、というか』
『二階以上が、まるまるなくなっている』
ザザ、ザ……
『予報更新』
『次の[快晴]は推定約三十時間後です』
「餓死なんてごめんだもの」
「あたしはマクベスの国を見たい」
「それまでは、死んでやれないわ!」
昨日の会話で、
色々と心境に大きな変化があったようだ。
「…………だから貴方も、死ぬんじゃないわよ」
「貴方が死んだら、誰が案内するのよって話」
「じゃ、あたし、マクベスが移動したらついてくわ」
「あたしも狙うもん…………」
今は。あと少しだけ、
安静にしていよう。