『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
誰が誰やったかなんてちっとも分かんない。
だから幾らでも嘘で塗り固める事が出来るんです。
便利ですね。
情けなく弱い男に出来るから知りませんけど。
「そうですよ。資源が無駄になっちゃうんでねー」
ゴロゴロを継続。
しかしここで寝る訳にいかないので、その内個室に引っ込みます。
流石にそんなことないよ、とは言えないかも…
「他の人を襲った人が、分かるわけないもんね…よく考えたらさ……」
そうだったら、今頃藍くんを襲った人を警戒できているはずだし……
はあー、と大きな溜息をついた。情けなさがプラスされた音がする。
「気をつけなきゃな……もう、おれも痛い思いはしたくないし」
この怪我も、勉強代として。これっきりにしたい。
「そんなに」
壺とか買わされそう。
保証人にもなっちゃいそう。
「まあ俺も玲衣くんが人殺しとかウケるな、てちょっと思いましたけどね。気が急いてたんでしょう」
「動揺すると負けなんで、気を張っておいた方が良いっすよ」
「あーんな公衆の面前で否定しきれなかったら、次のターゲットは玲衣くんになりますから」
まあ、既に今回怪我してますけどね。
「そんなに…?」
そんなに、だろうな。自覚はある。
傍から見たら、割と自認以上にコミュニケーション能力を疑うものなんだろな。
「……動揺しちゃった」
「殺しなんて、するわけないのに…そんなこと言われたから……」
壁にもたれて、その場に座り込む。
思い当たる節はあったのだろうな。
雑魚過ぎて大丈夫かなあこの人。
まあ、別に良いんですけど。損はしてないので。
「良く見た方が良いっすよ」
「玲衣くんてコミュニケーション経験値が低過ぎるんで」
だからあんな子供に言われて狼狽えちゃうんです。
誰が誰を襲ったなんて、幾らでも嘘吐けるのにね。
「なるほど……」
まだ出会って間もない人と、それなりに一緒にいる君の話なら。
後者の方が信用出来る、気がするな。
これはこれで騙されやすい証左な気もするが。
「……次からは注意して見ようかな」
「あの人だけじゃなくて、他の人も……」
疑うため、というより。
見極めるために。
「何を言ってるか分からないって事は、何を言ってるか理解させる気がないって事です」
本当に頭が良い人って、馬鹿にも分かり易く説明してくれるそうですね。
んじゃ、あれって逆だ。そう思ってます。
「好奇心旺盛は構いませんが、どうも自分本位な感じがしますねー。ああいうのが好きな人もいるんでしょうが」
「何でも疑ってかかった方が良い」
あれは善人じゃないでしょうね。
真の善人って何かは良く分かりませんが。
多分己と対極にあるんだと、思ってます。
テーブルクロスと違って、緞帳は持って行く術がないな。よく考えたら。
溜息。
「……そう、なんだ」
「昨日夜空さんと、一緒に話した時は……」
「……何言ってるか、分かんないこともあったけど」
「好奇心が旺盛、だなって…ことくらいしか、思わなかったから」
途中で寝ちゃったから、ほんの少し見ただけの所感だけれど。
正直、思うところがないとは言わない。
毎回やるわけではないんだなとか。そういうことを考えはしたから。
「いい人、でくくるのは……まだ早いかな、と
早い者勝ちですからね、こういうの。
常識捨てた方が良いんでしょう。
非常時に必要なのは、柔軟な発想と、非情さ。
「……」
「俺知ってますけど、」
「あの頭カラフル野郎、別にそんな話してないと思いますよ。偽善者の香りがする」
「俺が最初にプールで見た騒ぎのひとりです」
「なんで尚更、良い気がしないんすよねー」
ドリーミングジジイが言ってた事にも同意。
同じものを捧げられないのに。
平等には出来ないのに。
そういうの嫌なんですよね。
「端っこだけでも貰っておいた方がよかったかもね……」
「テーブルクロスみたいにさ」
先に使おうって決めた子は賢い。
あるものは、さっさと使うべきだろうなんだろうね。
舞台の緞帳だって、動かせずとも持っていければいいのだが。
「……でも、やりたい人の気持ちは…わからなくも、ない…かな」
「……きっとそう思えるくらい話をしたんだろうし、ね」
自分は、きっとやろうなんて言わないし、参加はしていないけど。
理解は、出来る。
包帯を巻いた腕を、ぎゅうと体に引き寄せた。
「やっぱ綺麗なうちにちぎっておいた方が良かったすね……」
来た時点でどう、って話になると難しい。
そこまで繊細じゃないけど。
「生きていけなさ過ぎて死にそー」
実際人死が出たところで、不躾にそんな事言ったりして。
でも誰が死んでても今日自分は生きてるんで。
そしたら死ぬーって喚くのも、自由なんですよね。
「葬式とかめんどくさいっすよね」
溜息。
「人が土足で踏んでなかったら……良かったかもね」
コロコロするクリーナー、欲しいな……
ちょっと今は汚そうだ。ふかふかではあるだろうから、身体は楽か。
「床、体バキバキになるもんね……」
「改めて、人の住む空間じゃなさすぎるなあ……どことってもさ」
テーブルに寝そべる姿を見ている。寝返りを打ったら落ちそうだな。そりゃベッドより狭いもの…
椅子のない机って机と言うより物置って感じがしませんか。
今正に物置になってる訳です。この身の。
身動ぎするだけでガタガタ机が揺れること!
あと足伸ばすと飛び出ちゃいますね。長いんで。
「廊下の絨毯が1番良いかもすねー」
ごろごろ。
「椅子で寝るのもだいぶキツいっす。伸び伸び寝たいもんですねー」
追っかけてきて、邪魔にならないところに立っている。
一緒に机の上に乗るとかはしない。というか、大丈夫かな……という目で見てすらいるな。
「……布敷いた床の方が、マシかもしれないね…」
机よりはさ……
>>8468
「音声の内容も少し変わったね。
同じことを繰り返して言うかと思ったが、不具合はずっと資源供給のことしか言わない。一つ二つと増えて解決はしてないから、担当者は来てないだろう。
ノイズは…続けて流れる筈だったシステムの音声がうまく流れて無い、とか。
あの音声の声以外は今の所聞こえないし、担当者関連でDREAM連中が接続したとかも無さそう。
何れにしろ変化が起こるのは大体停電後だ。
日が進めば動く物もあるかもね、問題は時間と犯罪者はそんなに待ってくれないってこと」
「……これは貰っていこう」
自分が床に敷いたテーブルクロスを丸めて抱える。
部屋においてから、食堂に行くつもりで部屋を出る。
「フム……では食堂にいたしましょう!
もう寝た方々は致し方ありませんが、私めが死者へ弔いを向けるのに付き合ってくださるのなら食堂へ行かれてください。
私めは食堂でやることをロビーの方々に伝えてまいります」
「出口ですか。
後は雨に当たる事にはなりそうな中庭に
もしかしたらあるかもしれませんね。地下通路とかで」
自分が思い当たるのはそのくらい。
「……、私は構いませんよ。
それほどここには定住してる訳でもありませんし。
拠点としてる方が良しとされているならば、ですが」
>>8458
「意外と皆様が心穏やかに過ごしているのであれば私めの行為は変なことかもしれませんね。
ですが、これは皆様にとっても助けになる行いだと信じておりますよ」
>>8463
「まだ行ったことないから実態を存じ上げませんが、だからこそ収める場として最適かもしれません!
私め、乗りこなしてみせます!」
>>8441
「あと手がかりがあるとしたら通信でしょうか。
自動放送ではあるみたいですけど、不具合について言及してるから完全な録音でもないと思うんです。
今日の放送は何か、ノイズみたいなのが聞こえましたけど、あれも意味があるんでしょうか……?」