『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
「いいじゃんサバトぐらいしても~悪魔崇拝おじさんだってそれを望んでた……!」
事実捏造をしている。悪魔だから。
「資源の追加配給ってヤツが今日も起きるなら、また争奪があるかもね~。
次に資源を勝ち取るのは、人間クンかもしれない…… 食堂へ急げ~!」
「こんなところでサバトしないでくらしゃい!!!」
泣きながら言っているのでうるさい。
案外その罪も間違いではないのかもしれない。
ついでに天使が一方的に嫌っているだけかもしれない。
「共有資源…」
空っぽのところしか見たことがない。
昨日も覗いてみたが、やっぱり空っぽだった。
「ああ、私はその時見ておりましたので把握しておりましたよ。
一つは暗闇の中に紛れて盗んだ方と。
一つは配給された資材をまとめてとっていった者。
先の方は誰かは分かりませんが、
もう一人の方は猫の仮装をした者が取っていきましたね。
……怪我などでもしてたのでしょうかね」
「そう、オレは人間クンらが好きな悪魔なのさ。
アレコレ決まりを押し付けてくる神なんざよりは、
よっぽど人間クンらに優しいってワケ~。」
「何。此処から出てから死ねばいい。禁欲が解放できる。」
死なないでくれという意。
「耳にした情報によると、共有資源を持ち出した者、そして沢山喋っていた者が狙われたそうだ。」
全員が全員そうとは限らないけれど。
「ふむ、やはり狙われたと。
恨みなどはなさそうですが
動機としては弱そうに見えて…とかでしょうかね」
「しかし悪魔様はこう、優しい方ですねえ。
襲った方を愛すだなんて」
ぺこ、と挨拶をされれば返す。
他の者にもしっかりと。
「…悪魔らしく余裕があるな。ただおれは心配なのだ。死人は出てほしくない。」
天使と悪魔のやり取りを聞いている。やはり仲は悪いのか?
「オレも別に恨み買うことしてないモ~ン。ちょっとサバトを手助けしただけで……
天使はアレじゃん。泣いてうるさい罪とかで狙われたんだろなあ……」
「ど~かね~?オレを二回以上も狙ってきてくれるなら、
それは熱愛のサインとして受け止めたい所だからなあ……
あ~悩んじゃう~ ど~う~し~よ~」
「当羽もやられましたのでぇ゛…」
びえびえ泣いている。うるさい。
誰がやったのかは当羽もきになりましゅけど…と言ったところ。
「悪魔じゃないので恨みなんてかってましぇ゛ん゛!!」
泣きながら語気を強めるが、泣いてるので弱い。
「願っていただけるだけでもありがたいことですよぉ」
「ほわ」
神父らしき人。ぺこりと頭を下げた。
神父の者に、似たような見た目をしている者…天使と悪魔。より神聖な場になってきたな、と思った。
「今は何らかの魔法は使えん。此処では皆等しく力を持たぬ人間だ。」
自分に言い聞かせるように言った。
「また狙われるかもしれん。悪魔のおまえも警戒したほうが良い。」
「悪魔もいるとも。そういや昨日は後ろで声聞こえた気がしたけど去っちゃったし~~~。」
「このテーブルの上は寝るにはいいのかもしれないなあ~」
ゴロ……
「悪魔『も』ね? そおそお~、やられちゃったとも~ぐさっとさ!
いやあ見事。誰の手腕か気になるんだけどな~あ~。」
「天使もやられちゃったワケ~~~? 人間クンらの恨みを買っちゃった?」
「む、悪魔もいたのか。」
悪魔と天使がいる…不思議な空間だ、と思った。
「痛ましいな…おれには次は狙われないように願うことしかできん。」
また十字架を切った。
「……改めて来ましたがここは広いですね」
「……おや、天使様も襲われたので?」
ツカ、ツカと。
ヒールを鳴らしどこからかやってくる。
「警戒は…したいですけどぉ…」
「気を配ってるとお腹が空くのでぇ…」
言ってることが悉く情けない。
縦には頷くが。
布はただのタオルですよぉ、といいながら。
「あ 悪魔」
「…」
「悪魔も昨日…やられましたかぁ…?」
誰かに。加害されたかと。
「ほわ」
「わっ」
ほわわ。タオルを押し付けられていた。
ありがとうございますと言った時にはギャルは去っていったのだろう。早い。
「はぅぅ…罰当たりかはともかくいたいれすぅ…」
べそべそ。べそかき。
情けない顔をしているが天使には違いない。
「おまえも狙われたのか。天使を狙うなど罰当たりなことを…。」
見た目と歌声から天使だと推測していた。
「今日がどうなるかはわからんが、また狙われるかもしれん。警戒した方が良いだろう。」
明るい少女に話しかけようとしたが直ぐに去って行ってしまった。一方的なやり取りを終始見ていた。
「おまえ、その布はなんだ?」
「悪魔にも天使にも施しをしている……やり手だねえ~~~。」
やってきては、テーブルの上にゴロゴロと身を転がす。
「や。アレは返却か~?」
「ぱんちゃんいたー!笑」
「ロビーのモニターにここにいるってバチ映ってたし笑」
「てかあの情報ホントなんだ笑」
「やっぱチップみたいなん埋め込まれてそ笑」
「てことでハイこれ!タオル!」
「ちゃんと洗ったから!笑」
雰囲気ぶち壊しの陽キャ仕草で天使にタオル(湿っている)を押し付け、去っていった。
「狙われまし゛たぁ゛……」
びーびー泣いている被害天使だった。
ずっと泣いててやかましく。
ご覧の有り様な上に羽が幅をとる。
狙いやすいことこの上なかったんだろう。これは。
穏便にいたいれすぅとかくかく頷いた。
「不安さはひろがってましゅう゛」
「そうやって襲う人がいるのは怖いれす゛からあ゛」
べそかきながら。
祈りの仕草を終えれば、貴方の方に視線を向けた。
「何やらたくさん喋っていたり、共有資源を持っていたりした者が狙われたそうだ。」
聞いた限りの情報では、そのように捉えられた。
「今は穏便にしているのが適当であろう。」
頷いている。
「どうも皆昨晩の件で緊張しているな……不安になる者が増えるのも妥当か。」
自分だって怪我を負うのは嫌だ。まだ死にたくない。それは皆同じだろう。