『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
「………………」
食堂では怪我をしただとか、そういう話も聞いたけれど。
ここではそうではないらしい。
ただ黙って、人の声に耳を傾けている。
「ここの者は無事そうだな。」
安堵する。怪我人がいたら洒落にならない……いれば奪い合いが始まった証拠になる。
「……案の定資源は減っているな。どうしたものか。」
>>3659
「分かる〜!アタシも魔法の道具を持ってたんだけど使えなくなっちゃったんだよね」
「頼れる相手がいないと心細いよね」
「特殊な力は使えなくなる魔法がかかっているのだろう。」
身体に溜まっていたストレスを取り除くかのように、ため息をつく。
「そろそろ記録時間とやらになるな。」
停電になるとかならないとか、何かアクシデントが起きなければいいなと心の中で願った。
>>3643
「あたしは…………」
再び、手鏡を取り出す。
古びた血痕のついた、それ。
「この鏡の中に、“天使さま”がいたの」
「“天使さま”は、あたしをいつも導いてくれた」
「でもね、この空間に着いてから、
なぁんにも聞こえなくなっちゃったのよ…………」
「あの扉、相当に頑丈みたいね?」
「それと。この空間、恐らくは特別な力の全てが使えないわ」
「……“天使さま”は消えちゃったし」
手鏡を仕舞う。
「…………みたいね」
「昨日、あたしはここ含め3箇所を覗いてみたけれど……実に様々なひとたちがいたわ?」
実際不便ではあった。
何か言われても言い返せないもの。
何か言われても言い返さない方が良いと思っているのだけれど。
事実を明かさないまま、悪魔のステップの方に話題が流れていくんだろう。
「やはり悪魔でも扉を開けられるような力は無いのか?」
ここにいるという事は、無理ということだろうけれど。
「不思議だ。此処に招かれた者は魔物、時代、住んでいる場所が違う人。本当に無作為に選ばれたのだな。」
「あ〜、やっぱそうなんだ?」
頷くのを見て、喋れないの大変そ、と思うだけ。
事実を知らないまま、丁度お行儀が悪いどころではない奴が現れたんだろう。
「おあ〜、マジなんだよなぁ」
ごく一般的な人間としては悪魔が実在することに慣れれる気がしない。
遠目、と言っても同じ空間で踏み付けられるテーブルを見ていただろう。
お行儀が悪いどころではない所業が目の前に……。
咎める声もなかったけれど。
軽く一礼をして、テーブルが汚れるな……と思うだけ。
いつの間にかやってきて、隅の方にいる。
「………………」
無言。物思い。
古い血痕のついた手鏡を、ぎゅっと抱きしめた。
テーブルから降り、幕を開ける方法を探して
舞台近くをダンダンダン……と調べ回っていたが、
方法がないとわかると、背を向けた。
「テーブルの上で寝るのにはいいのかねえ~……」
「こりゃ豪華な場。なのに静かなモンだなぁ~~~。」
テーブルの上に飛び乗っては、タン、ダンッ、と別のテーブルに飛び移っていく。
「ン~。踏み心地はまあまあだ」