コンコース(南)
改札内広場の南側。
主にホームへの登り階段・エスカレーターがあるが、コンビニもある。
閉まっているが。
「さーて、コイツがあれば幻覚とそれ以外の区別がちゃんと付くな?」
割と見えちゃいけないものが見えてる系配信者(SAN-145)
【道具使用】
鏡野ヨツヤ は トイカメラ を使った。
カシャッ。……うまく撮れただろうか?
「……………」
数枚、撮った写真を見比べます。
暗くて見えにくいんですよね。
「戻りますか」
検分はそれからでも遅くありませんからね。
懐中電灯を持って、一回りしているんです。
時たま明かりが消えて驚いたり、背後から響く声に振り返ったりしてしまいます。
「……………」
何度瞬きをしても、視界のそれって消えてくれないんですよね。
人が壊れる臨界点って、どこなんでしょう。
そういうの、たまに考えます。
考えるだけ、なんですけどね。
不安だったら懐中電灯ナシで歩いたりしないでしょ。
見えない聞こえない感じない、
がいても役に立たないのもそうですし。
「はーい」
まん丸い灯りと歩いて行きましょう。
「そうだっけ……」
そうだったみたいです。
あなただからってわけでもないんですけどね。
そもそも不安なわけでもないですし。
「それもそうか」
「じゃ、がんばろー」
懐中電灯カチカチつけて。行きますかー。
「言ってないー」
間戸と2人だと不安だ……しか聞いてない。
気持ちは分かりますけど。
そして本人が良いなら良いですけど。
「どっちでも良いですよ」
「どっちも同じですもん」
トランシーバー取り出して、
ちゃんと使えるか確認して。
準備は万端です。
「二人でもいいって言ったのに……」
言ったっけ? 言ったつもりになっているだけかもね。
そしたらこれも嘘ってことになっちゃうんですかね。
仕事仲間なんだから、二人で巡回したって何もおかしなことはないでしょ。
「なるべく見逃さないようにがんばりまーす」
「どっちが前歩く? それとも隣?」
よっこいせ。立ち上がって、前髪を軽く払いながら。
それこそ、本当にやらなきゃいけない訳でもないのに。
「自分で言った癖に……」
本当にそう。
けど、貸してあげましょうかって言ったのもあるし。
何も嫌な訳じゃないんですよね。
どっこいせと立ち上がって伸びひとつ。
「分かりましたー」
「じゃ、行きましょう」
「変なの見えたらちゃんと教えてくださいね」
知らなくてもいいことって沢山ありますからね。
意味がなくてもやらざるを得ないことってあるんですよね。
別にしなくちゃいけないなんて誰も言ってないんですけどね。言わないだけで。
「俺と二人がそんなに嫌〜?」
自分で言ったくせにね。
そうやって茶化してると、また怒らせそうですね。
どうでしょう。
本当って求める程の価値は無いし。
幾ら人間やっても上手くならないんなら、
意味ないかなってやっぱり思いますし。
「そりゃ言いたくもなりますよー」
「東谷さんいないですよー?」
どうせこれから巡回行くのは、
お互いにそうなんですけど。
嘘つきに見える正直者は、正直者の嘘をついてることになっちゃうんですかね。
何年人間やっても上手くならないこともあるから、大丈夫ですよ。
「子供っぽい声出しちゃって」
別に怒られたいわけじゃないですからね。
試し行為ってわけでもないんですけど。
「拗ねちゃった〜」
「ほらー、巡回行くよー?」
くつくつ笑って、片耳を押さえた。
そりゃあ、バレなかったら本当になっちゃうけど。
あなたと違って突き通すの上手くないから、
やっぱり人間1年生ですね。
「もおー」
なので別に怒ってもいないんですよね。
好き嫌いが無いから、嫌いにもならないし。
「はいはい、じゃあ良いですよお」
「もうそれで」
できないって思って言ってるし。
されても別に、いいですよ。
何かがあったことは伝わるでしょうから。
「嘘じゃないのにな〜」
仮に嘘でも、バレないでしょ。見る目ないんだから。
じゃあそれって本当と変わりませんよ。ねえ?
でしょうね。君って人に興味を持つように思えないもの。
それで不都合ないうちは、そう思ってたらいい。
「あれ、謝ってなかったっけ?」
「忘れてた〜ごめんね」
これも嘘か、嘘っぽい本当か、
好きに解釈してごらん。
そうです。
この男、正直者で嘘が苦手。
見え見えだし。
「えー絶対嘘だー」
ついでに見る目も無い。
きっとベースが自分だからですね。
だから他人もそうだと思うの。
「気にしてたらもう謝ってると思います」
「多分!」
「ええ、困っちゃうな〜」
嘘つけないの知ってますけどね。
既にあれこれ偏見をばら撒かれているのは、そう。
「うーん」
「本当、一つも当たんないね。間戸くん」
「俺だってそういうの気にするんだけどなぁ」
「まあ、いいよ。それで」
「やさしい~!」
「また会った時にね、行こうね。明日も多分此処に来るし~」
その時にでも是非。
「えと、二人共仲良くね…?!
一緒に行くってなった時に仲悪いとアタシがツラいから~!」
「しちゃうかも」
ある事無い事言って広めちゃうかも。
……そもそも偏見でしてるような……?
「でも別に、洞木さんは許されたいって思わないでしょ」
「そういう事気にしてもいないと思います」
「ならそれで良いですよ」
「こんな夜中に女の子連れ回すのはねー」
確かにそれもそう。
この男もどうせ深夜の散歩、もとい巡回をするんでしょうけど。
「あー、あ」
「嫌われちゃったかな〜」
「あることないこと脚色されて悪評を広められちゃうかも……」
怒ってるな〜って、見てます。
機会を与えられたって、薄っぺらいごめんね〜しか返ってこないんでしょうから、それで正解ですよ。
「実際夜も遅いですし、
風邪でもひいたら大変ですからね」
それはそれとして、
この男は遅くまで出歩くんだけど。
「そうですよ?」
「謝罪も撤回も機会を与えてあげる必要は無いんですから……」
怒ってるかも……