『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
全員の血かぁ。
舐めたかったなぁ……。
(声はかすれてないように聞こえるかも)
(補給物資なんて、なかったはずなのに)
(両隣の死体は水分が沢山含まれてる)
(それが、答えだったのでしょう)
あー。はるっち。
大丈夫。
見た目絶対ヤバいけど、でもアタシ幸せだよ。
きっとね、はるっちが見てくれてたお陰もあって、なーんにも問題なく、二人んとこ行けるよ。
(だから、大丈夫。『処置』はしてくれたよ)
(そんな風に笑って、少し虚ろになった瞳で騒動を見てる)
>>18308
「……うむ。わかった。落ちた時、あの天使に伝えておこう…。」
頷いてあなたのほうを見る。
「おれはおまえの安否を確認してきただけだ。宴会場に戻らせて頂く。」
何か無ければそのまま宴会場へ戻るだろう。
「やめてえ!なにもしてないからあ!!」
だばだば。なにもすることにはなりませんでしたし、自分の怪我は腹部にあるから舐められませんね。
>>18298
「そうね……万が一ということもあるから。
あなたにも頼んでおきましょう。
できれば落ちてほしくないけれど。
もしアンに会うようなことがあれば」
「自分を責めないで。
2人の幸せな思い出を不幸せに思わないで。
魂だけになっても待っているから。
あなたを愛してる」
「って」
「ちょ」「しゅ、趣味って、」
焦ってる。
「あれ全然趣味じゃないから………!!勝手に言われただけで………!!」
さっき、注射器の中にあった液体を舐めようとしていたのは、内緒。
「………」
私の手には、ナイフすらない。だから、一思いに終わらせてやることもできない。
医者は、ただ黙って見ているだけだった。
「遥希さんは、織さんと話していた時に一緒にいたかしら……。確か趣味は……なんだったかしら」
思い出さなくていいことを思い出そうとしているみたい?
「む。繭の少女、無事であったか。」
襲撃されていないようで安心した。
「何かしたいことなどあるか?資源以外なら何でもよい。」
あー……やべ寝てた。
(モニター下。死体とまだ居る)
(しかし、本人も衰弱してきたのだろう)
(そもそも止血すらもせずに話続けれていた事がおかしかったのかも)
(今は、青い顔で、それでも笑ってる)
「ええ、伝言を頼むって話、とても希望が持てたわ。
ありがとう、カイルさん。
アンに会えたらよろしくね」
俗説が成立することを前提として名前を呼んだ。
何にでもすがる。
「あと、そうね。
色々な人と自己紹介した気はするけど、
私が名前を呼んだの、アンと織さんくらいだわ」
モニターの表示名ですらないので全く関係がない。
「さて、どうしようかな。
一旦建物内を走って、休憩のついでに雑談して、また走って……って繰り返してみようかな」
「おはようございまーす……」
いつものごとく朝はロビーに。
殆ど週間づいていて、きっとこれからもこうする。
ふらりとモニターまで歩いていき。
「…………」
ふ、と笑って。
あーあ。知人も死に始めてる。よかった。
またソファを一つ借りて、ごろんと横に。
医者は、30分ぐらい歩き回ったら帰ってくるだろう、戻ってきたらそのまま、ソファに凭れて。
独り言は「もどったよ」「あとは待つだけ」なのかも。
君たちの目の前で落ちれば、つまり成功したと言うことだ。
すぐに戻ってきた。
誰か一人でもいい、あなたの元へ。
「伝言が伝わるのなら、私は私ですることができたの。
状況はず~っと窮まっているのに、一歩前に進んだ気分だわ」