『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
どういたしまして、と呟いて万年筆を受け取った。
どうせなら資源に変換される前に、少しでも多く使ってやりたいので。
「心当たりがいるなら教えて欲しいかな」
「モニター見て何人かまでは絞れたけど、決定打が欲しくてさ」
「やあやあ、おはよう」
いつもの顔に安心しながら挨拶。
「物資を配る人、か。心当たりがない訳でもないが……」
そう言いながら、表情が少しだけ綻ぶ。
彼であっても、そうでなくても。
現状を見かねた誰かが手を差し伸べた、そんな事実がどうしようもなく嬉しかった。
「はい、どうも……あ」
次いで来た眼鏡の男性の姿を見れば今度は起き上がった。
「いえ。俺は見ていませんが……」
「万年筆ありがとうございました。お返ししますね」
そう言って寄っていけばポケットから万年筆を。
両手であなたにお返しするだろう。
モニターへ目をやって。
確かに、見知った顔でもゼロがいたはずだったが。わたしが迷っているうちに誰かやってくれたらしかった。
「………」
一瞬ちらついた顔があったが、実のところ見ては居ないし聞いても居ない。やりかねないとは思ったが。
「いや、すまない、見てないね………。」
「うわぁ、何だこれ」
モニターを見つめている。資源が0の生存者が今のところは見当たらなくなった。
寝る前は自分含めて何人かいた筈なのだけど。
「野良寝してたら資源が袋に入ってたんだけど……誰がやったか見てない?」
誰ともなしに語りかける。
「おはようございまーす……」
ふら、と現れて。
いつものごとくソファに吸い寄せられ、
ボスンと横になる。
「痛"」
やや傷に響いた。
「………てか、朝ってこんな静かだっけか…。」
恐らく、良く見る顔が居ないと言うことはまだ眠っているだけか、夜中長らく話し込んでいたのでしょう。
いやまあ、この女も十分夜更けまで話し込んでいたのですが。
「そうなんだよ………。何にしろここで寝る意外の選択肢はないと言うわけなんだ………」
ソファの次が廊下の絨毯ってこの箱の中マジで何も無さすぎでは………?!
「お疲れというか、中年の取れない疲れと言うか……。…あぁ、わかっているよ。…ここ以外で寝るとからだの痛みがね………」
忠告ありがとう、と最後に付け加えつつ。
まあつまりもっと酷くなるらしい。ベッドとかもないから仕方なくソファを使っているとか。
当人は確認されても特に気に留める様子もなく、呑気に伸びをしている。
まあ、これをチェックするくらいしかここに用事ってないんでね。
目の前の人物を見る。見比べる。
すぐに分かっちゃいますね、これ。
「お疲れみたいっすね。でもここで寝るの危ないすよ」
なんか、人の話し声が耳に残っている。
内容とかそういうのは何一つだが。
「いででで………あ、お、おはよう…」
挨拶はもちろん返す。なんか久しぶりにロビーで見たな、とか思ってたのかも。
「……」
動くのも少々きつい身だ。
必然的に、ずっとソファに座り、話を聞いていた。
聞いていたから、こそ。
「……ああ、やはり」
やはり。己の勘は間違いではなかったのだ。
「……救いを、せねばなりませんね」
そんな言葉を漏らして、目を伏せる。
停電まで、まだ時間はあるだろうから。
「そこそこ資源を隠し始めましたねー」
まあ、問題ない量しか持ってない人達なのは知っています。
とっくにチェック済みなんで。
男は隠しません。堂々長者番付を叩きます。
今更ながらロビーのモニターを見に来た。
「……これは……」
そうして眺めたまま立ち止まる。こいつは何かと考える癖がある。今回もそうらしい。
「お、お気をつけてくださいませ、ね……?」
すごい音を立てて消えていった姿を見送って自分もロビーの端に寄ろう。
PL:こちらこそお話しありがとうございました!おやすみなさい!
ロビーから出る道中でガァン!と壁にぶつかったりしていたかもね。
PL:こちらこそありがとうございます、他の方々も無理はなさらぬように………私も眠を取ります……
「お〜」
返答とおやすみをまとめて鳴いておいて、こちらもソファ上で目を閉じた。今は昼頃だろうし(違う)仮眠するか…
(背後離脱)