『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「服は箱から出て来なさそう。」
出て来ても古着になってそう。
「私もお風呂入りたい。プールに着衣で入ると溺れるかも。危ないよ。」
「眠くならないの? 眠くなったらちゃんと寝てね。」
不思議そうな、心配そうな目を向けて。
問題ないなら、それでいいのでしょうけれども。
「木枯おじさん、おはよう。温水プール作れたら楽しそうだね。」
「おォ〜、ガキも起きてくる頃かァ」
来た顔には手を挙げて。
ちゃんと寝て朝起きてくるやつは偉いな。
「今日にはここの水全部抜いてお湯流し込んでやるからな。」
「暖かい風呂に入れるぞォ〜」
娯楽品などから湯が湧かせる何かが出るといい。
「寝れてないというよりかは……」
「寝てないかも」
眠るのが惜しいといった感じ。
「この程度で体調崩すわけじゃないですし」
「好きな感じで過ごしてます」
「ヨンコさん、おはよう。」
「水筒にお湯が入ってる事があったよ。もう冷めちゃったけども。」
そしてもうぬるい水しか出て来ない。
「余り寝れてない?」
「今日ぐらいで、温かいの用意できるといいね……」
ぼやぼやと。
この時間になってようやく眠気のぶり返し。
反応がなくなったら、多分寝ている。
ててて…と歩いて来て、シャワー室へ入り、水を出して顔を洗う。
「……冷たいね。」
顔の汚れを落としたら、タオルで拭いて。
髪を手櫛で伸ばす。
櫛も欲しいな。
「まァマウント取れるところで取らないとな」
悪びれもしない。
善意100パーセントみたいな顔で渡すより、
こっちの方が申し訳なくならねェだろ。
「生きたいって思えるのはいい事だわな」
「ちゃんと生きろよガキどもォ〜」
「富むとむしろ言動がケチ臭くなりますね」
してることは十分太っ腹。
揶揄できるところをしっかり揶揄してるだけ。
「やっぱり、後になってから……」
「死が重くなること、ありますよね」
自分もそういうクチだ。
怪我をしていないのは、幸いであった。
木枯 芥子はラオヤに医療品をおくった
木枯 芥子はラオヤに医療品をおくった
木枯 芥子はラオヤに医療品をおくった
「うお、起きてたのかお前」
というのは嬢ちゃんに向けての言葉。
いつもならこんくらいにまぁ寝てる時間だろうに。
まぁ、今更とやかく言いやしない。
別にひとりで寝させる訳でもないし。
「なんだァ?資源貧乏はこれだから困るね」
仕方ないねェガキってやつは〜
「おひとつどうぞ」
余裕があるわけでは、ないけど。
今日を凌ぐ分はまああるもので。
「まだ早い時間なので……」
「もう少しすると、皆が起きてくるかな」
④子はラオヤに医療品をおくった
「あなたは……」
「眼鏡の」
ちょくちょく、視界に映っていた印象のある方。
最初の方に襲われて、なんでもない風だったのを覚えている。
「……」
「……あの〜」
「資源に余裕ある人っている?」
募るならここだな、と迷わなかった。
けれど切り出し方は酷く迷った。
「まだ死ねなくなって……」
「初っ端食らった怪我を手当てしたいなー……って………」
最初の停電で負って、放置して、その後少し手当てをしただけの箇所がある。
「いないと思ったら」
ふら、とプールに立ち寄ったらアタリ。
案の定何やら言いながら手伝ってくれている。
「一人でやる作業じゃないのに、こんなのは」
作家って黙々と何かやるのが得意なのでしょうか。
ちなみにこの女はほっとんど寝ていない。
もう関係ないだろうと開き直って、
停電の時刻を寝て過ごすつもりでさえいる。
「……お、さすがにこの時間まで作業はしてないわな」
「結構水かさは減ってる……絶対あいつらそこそこ夜更かししたなァ」
「コップが1番濡れてるから最後まで頑張ったのはフードのガキと見たね」
早朝、こっそり中を覗き込み。
最近のガキって生活リズム終わってんなァ〜と、小言。
「ちとやってくかな。」
タライ持って、じゃばじゃばやってよう。
あと数時間で終わるだろォ
だってつゆも帰ってこないし、
動くのはしんどいし。なのでごろ寝。
気づいた頃にはすやすやで、テーブルクロス汚しながら寝てるんでしょう。
「はい。おやすみなさい」
「ゆっくり休んでくださいね」
会釈して、背を見送り。
引き上げる頃になれば、水かさもだいぶ減ったでしょうか。
これもまた明日、ですね。