『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
勝ち目がない勝負だ……
声にそちらを見て、顔色の確認などしているか。
寒さもあるし、やっぱり怪我だってしているのだろうから。
「おはよう、藍くん……調子、どうかな」
無理しないでほしいな、とは思うけれど。
口にはしないままで。
「今日は何人来るか……てか、来るんすかね、まだ」
もっそもっそ絨毯降ろして身体を起こし。
ぱりぱり血液フレークが剥がれていきますね。
やっぱ後でシャツも洗った方が良いかもです。
寒さ指数で言えば血が足りなくて体温の上がらないこっちの勝ちですね。
いつの間にか絨毯がけになっています。
何と比べてそうした方が良かったのかは知らないけど。
「……むぁ」
そろそろな気がして目を覚ます。
出て行った君の言葉は耳に届いても、ピンとは来ていなかった。
何か思うところがあっただろうか。
なんて、ゆるく考えながら。
静かな場所で、ぼんやりとした時間を過ごしている。
そりゃジャカジャカ喧しくなったら起きて退散しますけど。
そうならなそうだったんで、余計に。
食堂て良くも悪くもうるさいですからね……
「創作家は夢見るもんだからネ………」
「こんなにいいおじさんなのに日々虐げられてて可愛そうだよな、俺」
もっと崇められてていいはずなのにな。
って言ってるうちにまぁ結構昼時か。
腹も空いてくる頃だわな。今日はいつ食堂に行こうか、落とし穴がこえぇなァ~
「小説家さんっていいおじさんですよね……
私も見習います、夢見るところとか」
彼が移動する方法は思い当たるんですけどね。
ここがジャカジャカ喧しくなることです。
あえてすることでもありませんでした。
たくさんいる中の人です、どうもう。
「廊下で寝るよりはまだ安全でしょうか……」
「……私も食料節約してるんで動きたくはないです」
今コート渡しちゃいましたし。
無駄な体力使わず座ってましょうかね。
「絨毯持ってくる?…背中とか、少しマシかも」
ここも痛いことには変わりなかろうので…
シャツやらなんやらから、状況はなんとなく分かったので心配そうにはしながらもそんなことを。
「限界だなァ~こいつ……」
長くはなさそうだな。
まぁ、体穴だらけでろくな医者もいないってんじゃ、そりゃそうだろう。
こうなるのもこいつが選んだことだからまぁそりゃいいとして。
「まぁここがいいってんならいいケド」
「うるさくなって移動したいってなった時は運んでやってもいいよ」
いやそこら辺はお友達たちがやるかな。なんにせよ選択肢ってやつだわな。
「ちょっと……動けないんで……」
失血死かショック死手前みたいなのですからね。
あと個室も安全じゃないし、どうせ硬いし。
じゃ、汚れても平気そうなとこが一番良いかなって気もします。
話し込んで、そのまま寝こけるのは絶対にやめた方がいい。
足をプールからあげてなかったら、今頃ぶよぶよだ。
気づけば人も増えているし。
「ガキは素直なのが一番可愛ンだから」
「これからも素直に生きろよォ~」
資源もまぁまぁいい感じになったな。
可もなく不可もなくだ。安心。
「…………おい、なんだそれ。どっから出た声だ。」
引いてる……。ご飯はありがたくいただくけどそれはそれとして引いてる。
「………………。」
しばらく貰った資源を見下ろしているか。
「ああ、もう。こんなトゲトゲになってないだけいい子ですよまったく!!」
いい子が此処において優れた存在かは明言しません。
あなたたちの性根が元より悪人のほうがよっぽどマシだったきもしますから。