『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
木枯 芥子はカッパに食料品をおくった
木枯 芥子はカッパに食料品をおくった
……うん、きちんと言えたな。
ちゃんと聞いた。しっかりしたお願いだ。
「そんなに欲しいのかァ~~~~~~~!!仕方ないねこのガキはァ~~~~~~~~~!!
そんなにおねだりしちゃって可愛いんだからァ~~~~~~~!!」
おぉ~~~よしよし。
お願いされちゃ仕方ないわな。
頑張ったガキに駄賃を渡すのも大人の仕事だろォ~
「そのままそっくり返しますよ小説家さん」
「ここで無駄な血を流すのは建設的ではないことをご承知していただければ幸いです」
嗜好、それぞれ!
「好きに言わせてくださいよ〜これぐらい。
癒し系が好きだったんです〜」
「『ご飯が欲しいです、お願いします、分けてください』だな。」
「ほら、ちゃんと言ってみ」
敬語もわかんねぇガキに、きちんと教えてやるか。
ここまでやっての教育だわな。それさえちゃんと言えたらOKだ。
「………………。」
「そうだな。慈悲が欲しい。頂きたい。」
「イヤ、欲しい、ます? です?」
敬語が全然慣れていない。辿々しく乞う。
「過度な身を切るような行為の果ては、
どこの時代でも打ち捨てられる可能性が高いと思います」
「辱めたいのと慈悲を与えたいのは悪意の量が違いますから」
少し、申し訳なさそうな声で。
ここではその行為をあまり喜ぶ人が少ないのは確かでしょう。常識人が多いですから。
「ただのお人好しではなく……条件と需要が異なっていると捉えて頂ければと思います」
「汚ぇ裸晒すなよ」
汚いおじさんと同意見です。
出来なかった結果がこれで、そのまま成長した結果がドリーミングじじいです。
「まあ俺はジジイより厳しいすけどね」
「まぁお前が背が高くて胸がデカくて目付きの鋭い美人の女だったらそれでもよかったけど……」
全然良くはない。
「大人はガキを教育してやらなきゃいけねェからなァ~」
「できなかった結果があいつ。(トゲガキ)」
「で」
「ほしいの?ほしくないの?」
「………………。」
「寧ろ乞うだけでいいのか?
裸にひん剥いて10周回って泥犬の鳴き真似をしなくても?
…………どんだけお人好しなんだ。」
「そりゃァ~おねだりされたいだろォ~無償で施す仏じゃねんだから」
「そもそもなァ、何が何でも生きてやるって思ってるやつが」
「だから人は襲います。でも人に頭を下げるのはプライドが許せないのでしませんって」
「そりゃ覚悟がたんねェだろ」
「俺は何があっても生きたいって言うから昨日お願いを叶えてあげたんだけどな」
というのは、まぁ。
雨具のガキ本人しか知らない話だろな。
どちらかと言えば血抜きされてるんですよね。
血が欲しいな〜タンパク質とか……肉が……。
一先ずコートを着込むと真っ黒に戻りました。
まあ血も乾いて黒かったり茶色かったりしますけどね。ウケる。
さて、と多分このあたりだろうかと。
あまり血がない部分まで汚れているところを簡単に流して行くでしょう。
プールが墨溜まりも血溜まりも。
望む人はいないですから。
「血抜きしているわけじゃあるまいし」
「小説家さん、彼におねだりしてほしいんですか」
いい趣味ですね、わかりますよ。
まぁ顔がいい男はみんな女殴ってそうだよ(私怨)
「資源にちょっとくらい余裕あるから、飯食いたいとか言われたら奢ってやってもいいんだがなァ~」
「まぁでも……求められてないのに渡すのもネ……やっぱお願いされないと……」
「悪人が悪人と名乗る訳も無いすけどね」
まあ、貰えるものは貰います。
サイズもきっとちょうど良いし。
びしょびしょでまだ少し赤い汁が出る上着は、窓際にでも干しておきましょう。
乾くかな〜〜〜この微妙な天気で……。