『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「おう。お前も早いね」
ふと起きちまったって感じ。
いつもより格段にいい寝床なのにな。人間って不思議。
「そうだな、満足に生きられるのはまぁ、今日くらいだわな。」
「どうやって終わろうかねェ〜」
「おはようございます」
「早起きですね」
自分はその比ではないが。
「段々と……人が減ってきました」
「終わるんですね、今日ぐらいには」
……ぱち、と目を覚まして。
……減ったな、と。大きな布団見遣る。
焚かれた火があったかい。昨日のハグを思い出す。
「魔王の世界になんなよォ」
なんて。
軽い言葉。それでいいよな。
誰かの生が無駄じゃなかったと、祈りたい。
新しい生への縁になったと──、願いたい。
ひとつひとつ手折られていく。
残るのは。枯れたひとたちの、役目なのかもね。
④子 は 嗜好品 を得た。
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
はた、と目が覚める。
周囲に目をやって。
「……」
少しだけ寂しく思いながら。
肝心要の相手がそこにいることだけを頼りに。
のんびりと横たわっていた。
いつの間にか、角の生えた男も、小さなフードの姿も、片羽の影も、そこにはなかった。
それでも――ひとりだけ、戻ってきた者がいる。
人々が眠るそのほんの僅かな楽園のような場所で、あなた達を見つめ、かすかに笑った。
「おやすみなさいませ」
室内を、ほんの少しだけ温めるように火を起こす。
揺れる光は水面に滲み、静かに広がっていく。
やがて火が消えるころ。
彼の姿もまた溶けるように失われ、
二度と、そこに現れることはなかった。
『資源倉庫への追加資源を配置しました』
ま、それもどうでも良くなります。
終わりはすぐそこにありますから。
関係無いですよ。
「はい、じゃ」
「俺もお暇しますよ」
タライから足上げて。排水溝に汚れたのを流して。
濡れた素足でぺたぺたと個室へ帰ります。
こっちはね、部屋に布団があんのです。
「そんな事ないすよ」
本当にそんな事ないんです。
そう見えちゃうだけでね。
「そっちも早く寝てくださいね」
「もう何も無いんですから」
「ジジイも同じすからね」
噛み付いてんの。ミートゥー。
「大丈夫す。俺寝たんで」
「おやすみなさい」
起きた時死んでても良いですよ。
こっちの勝ちになるんで……
「一番小さい嬢ちゃんに仲裁されてるの、情けなさすぎる」
「俺そろそろ寝るからなァ、此処の布団使っちゃうもんね」
カーペットとタオルケット、そして多数のビーズクッションが設置されたデカ布団である。
「じゃあな。」
起きた時生きてんのか不明だけども。まぁ、どっちでも。
そんな大した差じゃないから、軽い挨拶。
『資源倉庫への追加資源を配置しました』