『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「まぁ、地獄になりがちかもね」
「例え上げるなら、1文字ずつ文字数増やしてったり。
それこそしりとりだけで話す、なんてのもあったっけな」
なんともまぁアレですが。負傷者も此処では見慣れて来たもので。
こんにちはぁとへろへろ挨拶をしながら。
はぁいと繭の子は座らせる。
「ひゃわっ ひざし様」
飛び退いてから。
「こべん゛なさい゛タオル゛勝手に怪我の手当てに゛使いましたぁ゛あ゛……」
わんわん。
顔を見ればすぐ泣き出した。
「しりとり…………って言葉遊びよね」
「その人の世界や育った環境によって、
使う語彙が大きく変わりそうね…………」
自分の世界の神々は通じないだろう、多分。
「やっぱエアと想像は実質頭痛が痛いだよな、うん
俺含めて皆そこそこ発想力がヤバなのオモロいな、これがいざアイディアを出そうとして出ない様子ってワケ…」
「しりとりは序盤はともかく後半は地獄になりそうだよな…特定の物で集中して語彙を減らす的な〜………
っと、来た子はよっすよっす〜?」
「ありがとう、少し座らせて頂戴」
天使に連れられてやって来れば、小さく一息。
ぺたりと椅子に座り込む。
紅が滲んだ右の手をだらりとたれ下げて。
「エアならなんでも作りたいほ〜だいだからな〜!ヤベーしウケるもんだって出来て激オモロだぜ〜?
思いつかなくたってそーゆうの考えてたらそこそこ難しくてオモロだし〜?」
ハッ、息を飲む声
「エア、エア想像…?」
?
「ん~……」
「文字数しりとりとか…エアっぽいのはそんくらい?」
まぁ、思い付くのはそういう系くらいだけど。エアじゃないね。
「物がないからエアするしかないんだ笑」
「身体ひとつで遊べるやつあったらいーんだけど」
「バカってこーゆーときほんと役に立たん笑」
のんびりとした歩みで食堂へと訪れる。
小さい子を支えながら食堂まで歩いてきた。
羽をしっかりたたみながら。
「つ つきましたぁ…」
横の子は疲れていないか確認しながら。
「結局エアですか……」
逡巡……エア、エア、何が良いかな
「ごめんなさい。センスがなくてエア系は思いつきませんでした……」
「…………あたしは、
だれかに悲しまれるような、
そんな“価値”のある人間では、ないもの」
微かな呟き、ぽつり。
だから、不要なのよ。それは。
「ま、そんなワケで〜?
俺がダメなら皆デッカデッカに泣いてくれよ〜?」
両手上げつつ
「なーんか明るくしよ〜って思ったけどシケらせちゃったかもな〜…
そーそー、楽しい事だ楽しい事、エアバトル、エア乾杯ときたら次はなんのエアでもやろうかね〜…?」
エアではある。
>>8164
「っと、ありゃ…?」
小さな声は見逃さず。
「ん、りょーかい、そっちが先に行った時はアンタの望むようにすんぜ……極力な」
派手な悲しみは要らない、か。
実際にどうなるかは置いとくとして、心の内側には刻んだかもね
「せっかく仲良くなったんですから、そういう人が生きて欲しいとわたくしも思いますね」
様々な言葉に頷く。
「命あっての物種と言いますが、何か起きた時はわたくしも悼む覚悟は出来ております」
少し暗い雰囲気になったが改めて微笑み
「……楽しいことでも考えましょうかね」
「あーわかるわかる、ほんとそれ笑」
「地元のヤバめのニュースとか流れるとぞっとするし笑」
「ぉ、おあー、そなんだ……」
「火つけるとこだったかも!あぶな笑」