『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「いえ、手伝わせてください」
「私もベテランメイドですから……!」
ムッと頬を膨らませる。
手伝うことを許されたならば、テキパキと掃除することだろう。
一度やったことあるような慣れを感じさせながら。
「おっと!お呼びが掛かっちゃったな~。ちょっといってきま~す。
アイツ結局資源持ったまま行きやがった!って悪口は叩いておいてくれ!」
ひら、と手を振りながら廊下の方へ向かった。
「おお、さすがプロ……」
メイドさんに尊敬の眼差しを向けている。
掃除道具無くて諦めてたのに。調達もやってのけるんだ……。
「じゃ〜悪魔、前と同じ部屋で待ってるわ」
不吉なパスワードで施錠された部屋に向かい、真っ直ぐ歩いて行った。
「ほんとは洗剤があればいーんだけどね」
血の汚れはそれでマシにはなる。
アルコールは効果は薄いが、臭いを誤魔化すには少しは役立ってくれるものだ。
「お気になさらず、皆様はご自由にお過ごしくださいませ」
「スベリも、無理はしないでいーかんね」
「あ、おかえりー」
「ごめんね結局任せ切りにしちゃった」
「その上お掃除まで……」
「や、それはメイドさんのお仕事だからいーのか……」
「こー見えてオレも色々……多少……考えながら行動してんのよ~」
「おかえりなさいませ、お嬢様…… ワオ 真面目な特殊清掃だ」
「お腹空いちゃったな...今日は個室でご飯食べよっと。
またね〜」
食堂のアイデンティティを一人が放棄した。軽く手を振って去るだろう。
「カードゲームは…色んなやつとやってナンボだろ……
いやまあ医者くんとはやってね〜けど」
ハシゴ外し
「へー、二重人格?ヤバ!オモロじゃーん、じゃーこれからはジャッくんとアレくんか、良いじゃんねぇ、よろしく〜!」
いやいや、マブでも低気圧にぴえんしてるのはなんとも出来んやろて。
マジ頭痛すぎて、むしろ噛み付いてたかもしれん。かわいーアタシだけ見てケロね?
「ただいまもどりました」
カツ、コツ。ヒールの足音。
肩口は赤く塗れ、手には水の入ったボトル。
そのまま変わらぬ足取りがまま、2つの姿があった場まで行けば。
袋の内より取り出されるは、何処で見つけたか。或いは調達したか。タオルと酒瓶。
タオルへ水と酒を染み込ませたと思えば、地へ広がるモノの清掃へと勤しんでいく。
「相談ならアリアリ~~、オレにも行動方針がある以上、その先は保証しないけどさ~~~。
どしたん……話聞こか……は悪魔のオレに任せてくれてもいい……」
「お〜、良かった良かった!何もしない馬鹿をやってんのね〜ヤバ!
俺はちょ〜安心してんぜ〜、マブがマブマブしてっからよぉ〜!」
「あ、ビビっちまった?それはごめーん」
「そんな事したのか、アイツ。」
違います。
「まあいい。
何度も説明しなければならんのが面倒だ…」
「私はジャック。医者の別人格だ…
で、また入れ替わったら
彼のことはアレクサンダーと呼んでほしい」
「あ、ラララさん。大丈夫ですか……?」
先程よりは元気そうで安心。
「すみません。声をかけられなくて。マブなのに……」
マブだっけ?マブかも。違ったらごめんなさい