『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「大丈夫ですよ」「資源ならばまだございます」
「全様、後程またお越しくださいませ。お気に召す品が見つかる事、間違いなしでしょうから」
「あーあ、トーノくんたら大袈裟だなぁ」
肩を揺らして笑っていた。
誰かが辛そうだと、嬉しくなる。他人の不幸は蜜の味がするから。
「働き者だったメイド二人を労うために良いパーティになるといいなァ~!」
「枝豆用意しといてくれな。」
そうやって明るく振る舞っておこうな。
しみったれるのは後でいくらでも勝手になる。
「なるほど……」
「先ほどの放送にあたる1年前はそうだったんですね!
つまり、今回なら行けるかもしれない……」
「とはいえ、催し事は大切にございます!私めもサニー様が本当がどうあったかの聴取を行い、ちゃんと弔えとの命を授かっております」
「パーティーか……って鷹宮様はいずこへ?」
「今まで本来の用途を失われていた"堂"にございますが」
「本日のみ、"食堂"として大いに皆様を盛り上げさせて頂ければ幸いです!」
「ご協力くださる皆様も、どうぞよろしくお願い致します」
『生産プロセスに異常があります。しばらくお待ちください。』
>>16632 花屋
「じゃあ、しょうがないかぁ」
聞こえちゃったなら、仕方ないよね。
きっとお互いに、やわらかく笑っていた。
襲われた時より、きっと、怖くなかった。
花のような、笑顔だった。
「うん」
「大丈夫になっちゃった」
「帰れなくなっちゃったんだけど」
天井を見上げる。
「最初から、帰れなかったんだもんねぇ」
じゃあ、大丈夫かな、って。
「えぇ、ありがとうございます。木枯さん」
ひとつ、片割れを抱いたままカーテシーを行い。
「本日のパーティの閉会をもって、"堂"での勤務を終えさせていただきます」
「どうぞ、是非ぜひ皆様方へお広めなさってください」
「そっか」
強がり。想定してた。出来ることを。
「そうか」
何も受け止められてない。
「よっす、ギャルピー。
ただ、僕は悪いけ、ど、一旦休み」
壁の方で、力が抜けるように座り込む。
>>16600 marry
「聞こえましたから」
近寄るのならそのように。
背も大人しく擦られるだろう。
……襲われた時の方が余程取り乱していた。
今は笑っている。
やわらかく。
「え? 大丈夫なんですか」
「ケガじゃないから大丈夫……とかでなく」
「パーティ内容は単純にございます」
「皆様のお好きな物を、好きな料理を振る舞う会食形式とさせて頂ければ幸いですね」
「勿論、お好きに品々をご用意して頂いても構いません。
むしろ、大いにお好きにしてください」
ああ。その可能性だったというわけか。ならば、あの使用人が提案するピリオドを踊るべきか?
だが、ワタシでも覆える幕が、ある、のでは
…………
騙されているべきだ。
「あ~……陣は今日で最後にするわ。」
「今まで参加してくれた奴ら、ありがとなァ~。皆勤賞は…いたのか?わかんねェけど」
「ダリアァ」
「お前もパーティ終わったら解雇だな」
そういう話だっただろ、確か。
同じ放送が繰り返され始めた……
「……」
「……ああ、そうか、これが……」
胸に手を当てる。苦しい、ような気がする。
世界が終わるなら心が止まると思っていたのに。
まだ、止まりたくないと。鼓動が言っている。
「……なるほど」
「いいじゃないですか、パーティ」
「私はいつも通り……いたり、いなかったりします」