『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
化け物です。ポンコツです。天使だった。
「リストアップ…」
「リスト……」
リストにできるくらいあるだろうか。
目を逸らしていた。
身銭はいくらでも切れるのだが。
>>2584
「……あ、すみません、不安になるようなこと言っちゃって」
「とりあえず、夜は何もなかったので、何か起こるとしたら夕方かな……?
天使さんも気を付けてくださいね」
「化け物より人間の方が信頼出来ますし、俺は人間相手に間違いは起こしません。区別してますから」
人間とそうじゃないのを。適切に。
なので、人間ぽいあの男がやるべきは人間らしい己を助ける事だと思う。
本気でそう思ってるかは別として。
「化け物だらけの所なら、人間の方がまだマシって話ですよ」
なので天使もちょっと。
「聞きかえましょう、信頼できない不特定多数よりは個人の方が有益なのではと」
「天使って神と話せないとこうなんですね?
身銭切る前にできることをリストアップしていただければ罪悪感なしに注文しやすいです」
嫌なお客様であることだ。
>>2567
「景色…は変わり映えなくても」
「陽の光…が晴れた時に届くように窓はあるべきれすねえ」
「窓がなくて、扉からしか出入りができなくてぇ……」
「…」
牢獄みたいだと思った。
「鍵も頼りなくてえ…聞こえる話は聞こえてきそうでえ…」
「…ナイフ…」
個室で、なんて。
あまり考えたくはないことだった。
「化け物と人間とは違います。俺が理解出来るか理解出来ないかっていうでっかい違いがあるんで」
「無理です」
ほら……あのポンコツも変な事やってるし……。
怖あ。
「……」「あ」「えと、」
「お、はよ」「ございます」
誰もいないと思っていたが存外居た。
ぺこぺこ……と頭を下げながらの入室だ。
「化け物にやるより人間の俺に託した方が良いに決まってるでしょ」
男は差別主義者である。
主に人間と非人間の間に深い溝を掘って暮らしています。
「確かに手渡し出来るんですかね。オイタしたって怒られるんでしょうか」
「それなら諦めます」
「資源…入れられるんれすねえ」
「それからすぐに取られていく…」
「……あぅ」
蓄えがないと不安なのだろう。
「だせましぇん……」
大変申し訳なくて泣いている。
軽く念じてみたけどダメだった。役立たず!
「報酬が必要ない」「そうですか」
「……お湯とか手から出せません?」
人の欲はかくあるべきだろう。
「寝る前まではなんかわずかに…」
「もしかして、此処に先に来られてた方々は
あの箱でも使って何かしてたんですかね」
>>2556
「……確かに。僕も今日は個室を一つ借りて寝ましたけど、窓は無かったですね」
「まあそもそも、窓があっても見えるのは変わり映えしない、雨の降る景色ですけどね」
「それと、窓が無いという事は、個室の入口はドアひとつだけ。
鍵は一応かかるみたいですけど、何とも頼りない感じがしましたし……使えるナイフひとつでもあれば破れちゃいそうなので、部屋に閉じこもって……みたいなのは難しそうですね」
「ご飯はだせましぇん……」
びええと泣いた。
こんなところにいるのは天使も聞きたいところだった。
「?」
「必要ありませんよ?」
無償の奉仕。
なんかディスカッションしてる?話し合いを横目に見ながら戸棚を確認。
「……あ、戸棚に入れたのが無くなってますね……」
誰かが持っていったのかな、また空だ。
>>2549
「気になったことれすかぁ?」
「うう〜ん……」
昨日よりはだいぶマシ。落ち着いた頭で考えた。
「……」
「あまりないれすねえ」
「強いて言うなら…個室に窓がないくらいでしょうかぁ…」
一つ部屋があるなら、一つ窓があるものだと思う。
それでもないんだから、閉鎖的なことこの上ないと感じた。
役に立たない意見かもしれない。
「役に立つなら飯出してくださいってば」
無理なら役に立ちませんので。ガチでいりません。
てか何の為にこんなとこに天使がいるんでしょうね。
「俺も税金がそんな無駄なものになるなんて御免です」
住む世界は違う。だから化け物って嫌なんですよね。
>>2546
人のために働くと、そう聞いた少年がふと尋ねる。
「そういえば……ここで何か、気になったこととかは無いですか?
今のうちに……連れてこられた以外何も起こってない今のうちに、色々把握しておきたくて」
「随分世界を信じるのが上手なんですねぇ」
「確かに税金でも奉仕も、
使う側が優れているに越したことはなく」
同じ場所にいるのに住む世界が違うなんておかしな話。
「そうなんですよ、テンペスト、天変地異。
法螺話と受け取ってくださいね。
変な大人は皆さんの賢明さに干渉を控えます故に」
「あぅ」
賢明なのはそうだった。
「今はご不要れすか。信じてなくてもいいれすけど…」
「必要にやったら言ってくらしゃいね」
「天使はいつでも、あなたたちのために働きましゅぅ」
めげない。
「羽が急に生えたんれすぅ…?」
そんなことが…?
首を傾げながら。
「ご奉仕はいつでもどこでもいたしますぅ」
「人のための天使れすのでぇ…」
優先順位はあるが、奉仕は。