『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
ザザザザザザザザザ
「……ちょっと足りなかったか。でもまあ、大丈夫」
周りの様子をうかがう。ぱっと見、致命的な人は居なさそうだが……?
ザザ、ザ……ザザ、ザ
「だから、理想を掲げたいんだ!
実現したい!残り30時間の全員の無事!綺麗事の完全勝利!」
「なぜ出られないなどとアナウンスを疑うのですか?アナウンスが『嘘つき』だなんてワタシの方が『嘘つき』としての信用がある!」
「──皆さんで出ましょう!」
(やっぱり、カラフルな髪の人の言うことはよくわからない)
リタにはあんまりりかいできなかった。
あたまがぼんやりする
ここにきて、自分の頭で考えてから、ずっと。すぐにつかれてしまう。
「少なくとも」「誰かに言われずとも」
「私達は初めからそうして来たわけだし」
自分達で先を決めて来たんだ。それが、最良なんてない囚人のジレンマでも。
時間がない。
「ワタシは、先ほど愉快犯に生き地獄を味わってほしいと言いましたが……生きるべきでもあるのはそうでない方々もです
自分は襲わないと貫いた人。それでも襲わざるを得なかった人。ワタシたちは生きて出て当然だ!
せっかくここまで集団生活を過ごしたんだ、それくらい、報いがあってもいいんじゃないか!?」
「政治的圧力には負けないようにしましょう」
「個々が個々の意思で生きる」
そう言えるようになっただけ、自分もまあ、成長してる気がする。
いつも、そうしてきた。
今まで、ずっと。
だから、これからも。
誰に何か言われたから、じゃなくて。
自分でそう決めて、そうしていく。
それだけだった。
抱き付ける相手も、抱き締めてくれる人がいる訳でも無い。
メイドさん達を羨ましそうな目で見て、その後は停電の時を待つのかもしれない。
「少なくなった分新顔が増えて木枯さんの人望アップ~、と」
くすくす。くつくつ。にこやかに笑う。
だって、もう。先のことなんて想像出来てしまうから。
その先の事を思うと、傍に居なきゃだめなんだ。
「……まァ~」
「ようは、誰も傷つけず、血を流さず、生きて脱出しましょう、だろ?」
「それなら、普段通りしてるだけでそのとおりになるわな」
「生きて帰りてぇなァ~」
ずっとそうやって過ごしてきたんだからな。
本当にそういう事をするなら、そういった事情は気にしないのでは?と
「……ここで起こった事って、罪に問われる訳じゃないのに」
「──少なくともワタシはスカッといたしますね!」
「だから、まだ耐えるべきです。資源がない人は脱出までガッツで生きてください!
彼らから襲撃から凌ぐ方法をお教えしたいところですが、長くなるから先にこれは言いたいかな」