『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「どういたしまして。私はおじさん十分若いと思う。」
「ナイフ持つのも考えてみるね。」
持ったところで巧く扱えるわけがない。
持つとすれば、お守みたいな物になるんだろう。
「真っ赤なマント…」
視線が向いた。
お、なんか赤色が入ってきた。初めて見たなァ~意外とまだ顔見たこと無いやつっているもんだ。
「でもさァ……客観的に……おじさんが「うおぉ!恋してェ!」って積極的に女の子に話しかけてたら…結構キモくない?」
「それが許されるお前らが頑張るべきなの。わかる?枯れてる場合じゃねェぞお前ら」
「優しいねェ~~~~嬢ちゃんは」
「まわりのおじさん差別してくるやつに爪の垢を煎じて飲ませてやりたいなァ」
世辞でもガキからの評価でもまぁ嬉しいもんではある。
出来れば巨乳で背が高くて美人無やつが好きになってくれると一番だな…
「ありがとな」
撫でると事案になるので、エア撫でをするのだった。
「うん。そうして。……無理のない範囲で、いいけど」
「必要だと思ったらナイフを持つのも、私はいいと思う。
とにかく……自分を、大事にしてあげてください」
緩く視線をむけて、小さく頷いた。
「あれくらいをして貰えなかったら、
ずっと気絶したままだったかも。私は嬉しかったから。」
顔を上げる。
「今日はちゃんと警戒するね。資源いっぱい使っちゃうけど…。
怪我したらまた同じ事させちゃうし。
「ナイフ…用意した方が…いいのかな…」
「あ、」「……うん、元気になったようでよかった」
「あれぐらいしかできなかったけれど、
それでも……どういたしまして」
頭を下げられると少し、気が引けるようで手を振るものの。
少し嬉しそうに笑った。
「あ、ヨンコさん。」
ててて…とそばに走り寄ったかも。
「こんにちは。昨日は手当てしようとしてくれて。
それからそれから。医療品も贈ってくれてありがとう。」
ぺこりと深めにお辞儀してお礼を伝える。
「おじさんだからネ」
「なんかでもいまいちそういう色恋沙汰の話聞かねぇなァ〜」
「やっぱいくら吊り橋の上でも2,3日で心を寄せ合うのは無理ってことかァ〜?」
若人、頑張って欲しい
「性根がおじさんです……」
そりゃ身がおじさんだからそうなんだろうが。
「こんなところで結婚相手を見繕っても行けないとは思いますけど」
「この場合も、吊り橋効果っていうんですかね」