『食堂』
どちらかと言うと広めのキッチン。水浸しになった。
奥にはシステムキッチンとカウンターがある。ガスも水道も電気も通っていない。
カウンター奥に「箱」のついた扉があるが、曇り空の見える階段があるだけ。
『記録[
「…」
「この前プールに居た奴ら……」
ぶっきらぼうな方でやって来た。
様子をよく見れば、悲鳴をあげていたのは
こちらであると分かる人もいるかも。
おじさんは悪人じゃない。
なぜなら子供にいい人と思われてるから。
「嬢ちゃんは将来大人になったら嘘をつかない男の人と結婚してネ……」
「あとトゲトゲしてないやつ」
「え?うん」
「信じてたんだ……可愛いガキだねぇ〜」
嘘は大人のアクセサリーだよ嬢ちゃん……
カスみたいなアクセサリーだったけど……
「そんな悪いことってほどのものでもないよ……」
「普通に付き合って普通に別れて、みたいなのが何度かあるくらい。
指輪渡すほどまでなったことねぇなァ〜」
「俺をなんだと思ってんだこいつ……」
無料で若い女の子と会話できる環境でこんなトゲガキと話してる俺、めちゃくちゃ聖人君子だな……
褒めたたえようかな、自分を」
「普通はキモイって言うと思いますよ」
「既婚でも人生の墓場って言うじゃないすか。ジジイなら有り得る」
「ここなら無料で若い女の子とお喋り出来ますもんね」
「こいつなんか全体的に潔癖なんだよな……」
これが普通の反応だね……
「さすがにしねェよ。既婚でもねェし。既婚でこんなに脱出に焦ってなかったらやばいだろ」
伴侶が可哀想だろ
あー。何回もお揃い買うの良き良き〜。
指輪以外のさ、ピアスとかもオソロして、全身仲良ピカップルなりたみたるよね。
マジアゲなんだけど〜〜。
「またお揃いしたくなったら買ったら良いじゃないすか」
「高いのを何十年に一回より、安くてもこまめな方が幸せって長続きすると思いますよ」
「おじさん」
「あんま一生に一度の贈り物が安物でいいことないよ」
まぁそこの価値観が合ってこその結婚なのかもな……
最近の若い子のニーズは分からないので、口を閉じた。偉いおじさん
何か女の子ってめんどくさ……。
玲衣に続いて退散した方が良かったかも。
「偏見ですね。安物で良いなら買いますよ。お揃いが楽しいって気持ちは理解しますんで」