『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
いつでもどうぞと一言を。
「ええ〜…大人しくしていれば…」
「…皆様心配になるのもわかりましゅけれどぉ……」
天使もべそべそないている。不安。
「それでも、穏便にぃ……」
十字架を切って祈るのを見た。
祈りになれてるのかな、と思った。
「うむ。聴きたくなったら呼ぼう。」
頷いている。
「……そうだな。大人しくしていれば多分うまくいくだろう。
おれも祈るか。」
何かを唱えたあとに十字架を切った。
「お お呼びいただけましたりゃ……」
歌わせていただきましゅと口にするか。
小鳥の囀り。金糸雀の歌声。
「雨音は気分をどんよりさせますからぁ…」
「….あぅう」
「7日…も、持てばいいんれすけど…」
資源の減り方を見ていた。
襲いかかる人もいることだった。
「…ちゃんと晴れてお迎えが来ますように…」
手を組み祈った。羽が少し広がった。
祈ることしかできなくて情けない。
「何十年ぶりとは思えない歌声であった。機会があればまた聴きたい。」
実際そう感じた。あの歌声は枕のような心地よい感覚だった気がする。
「うむ。娯楽がなければ……七日後には皆の精神が尽きてしまう。雨音もうんざりであろう。」
お聞き苦しくなければいいんれすけどぉ゛…と泣きべそべそ。
泣いてるのがデフォルトだった。
「当羽も何十年ぶりに歌ったかもしれましぇん…」
「娯楽は…ないに等しいれすかりゃねえ…」
雨の音ばっかりだ。楽しめるの。
それも飽きてきた。
「いや、非常に良い歌だったぞ。小鳥のさえずりのようであった。」
泣きべそをかいている姿を見て少し困惑している。
「久々に歌を聴いた感覚がする。此処は娯楽が少ないからな。」
「………」
主に声が届かないということは。
その監視下にないということ。
祈るのをやめればその場で丸くなった。
考える。
ただし魔法は使えないというのなら。
取り上げられた奇跡は、やはり帰ってきていないのだろう。
ただ。
「……」
「……♪……♪」
眠る人もいるだろう。
その眠りを起こさないようにしながら、微かな鼻歌を1フレーズ。
羽を伸ばした。
「…」
「…歌える」
「………」
舞台の幕は閉じたまま開かない。
別に舞台なんてどうでもよかった。
「………」
手を組み目を伏せ、翼を広げる。
主に念を飛ばす。
…何の反応もなかった。わかっていたが。
「……」
そのまま、しばらく瞼を閉じ続けていた。
思案するように。
「じゃあほんとに冷水シャワーがあるだけなんだな」
あまりにも不便。シャワーを浴びさせる気あるのか?
「バレるかバレないか以前に普通に嫌」
「全裸コートってただの変態だろうがよ」