『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
「パーティーリーダーが逃げてしまった」
「これは解散ですかね、今日の所は」
自分はまあ別に、することもないから、
ここにいるか適当に歩くかぐらいしかないが。
「医薬品があるって言っても、万病に効くわけじゃないだろうしね……」
「頭痛に効く薬も素人には分からないから……ほっといて治れば一番だよね」
「素直なのが俺のチャームポイントなんで」
嘘である。
「転がってんのが悪いんですよ。それに男だったし。女の子だったら流石につついてないですよ?」
「絶対アンタじゃん、オレつついたの……」
でも正直自分も、転がってる知らん人を見たら小突くくらいはするかも。
そう考えて、これ以上問い詰めるのはやめた。
「もうちょっと、こう、取り繕いってものを……」
しないだろうなあ。だから人間パーティを組んでたのだろうし。
「頭痛かあ……大変」
「何事もないといいんですけど。
ここだと、病気したらやっぱり大変だろうし」
「……オレも正直、どんな状況だったとかハッキリ憶えてないな」
「ずっと頭痛くて……全然気にしてる余裕がなかった……」
なので、誰に爪先でつつかれたかなど憶えていないのである__
美味しそうと聞いて、スフレだかサフランだかが過った。
こんな場所じゃ食べられなかろうが。
「ああ……女子ってそうですよね、季節ごとに服の色合いとか変わって」
「おれは毎日ネイビーと黒と白で回してるから…」
「タイムだなんて」
「自己紹介にタイムも雷雨もないですよ」
自分に限っては、聞かれたから答えただけである。そういう認識。
「ロビーで……」
「……気づいた時どういう姿勢だったっけ」
覚えてないな。自分も転がってた気がする。
「……自己紹介タイムだったか」
「…………無縁だな」
そう通り過ぎようとしたが。
「あ……?オレのこと……?」
ロビーで転がっていた人、というワードに反応する。
。oO(スフラン語……スフランってどこの国だろう……?)
響き的にはフランスとかそっち系のどこかかな……?と小さく首を傾げる。
もっともどこの国の人でも自分は特に困らないけど……日本語上手なんだなぁという感想も同時に浮かぶ。
「ブランシュちゃんに、乃々ちゃんね」
名乗られたのであれば、覚えておく。
旅は道連れ、世は情けというのはそれなりに信奉している。
「私も全部同じに見えてるのはそうかも。
どのみち、綺麗なものがあって、服が可愛いです」
「こんばんは……の時間と見ました、いまは」
「スフランて美味そうな名前っすね」
生憎ピンと来なかった。似たような名前の別な国なら知ってるんだけどな。
「はい、乃乃ちゃんですね」
白いし外人かもって思ってたけど、意外と普通ネーム出てきた。
>>2345
「はーい、じゃあ行こ! なんかすごい夜更かししちゃった気分」
そう言って、あなたと共にバンケットを後にしようとする。
じゃあなんすか。乾燥して冷たいって言われてるんすか。
──概ねその通りである。
夜は無情だと言ったが、この男はそんなのと似てる。
「自分ではあんまり分かんないっすね、こういうの。体臭みたい」
言いながらすん、と自身の上着を嗅いでみた。
印象ってそんな感じなのかもしんない。
あ、ブランシュさんも自己紹介してるなら私もしちゃおう…。
「ん…っと、雨音 乃々、です……。」
藍さんは…ちょっと間があったのが気になったけど、とりあえず便乗で自分も急遽自己紹介。