『バンケット』
大宴会場。電気はないが明るい。
円形のテーブルが多くあるが椅子はない。立ち席。
奥には大きな舞台がある。
幕は朽ちて落ち、雨の舞台が公演されている
『記録[
「水着がないのが残念だな……」
「最悪着衣水泳か……洗濯の代わりにも……なるかもだし」
ぐちょぐちょで寝ることになって、恐らく最悪の結果になるな。
「こんばんはかもしれませんね」
挨拶とか何でも良い。迷ったらこんにちはにしてる。
化け物が多い中で人間って貴重だ。
ついでに気が触れてないのはもっと貴重だ。
なのでオレ、ニンゲン、スキって訳です。
こちらも少し表情を緩めて会釈を返す。人外もちらほら見かける中で普通の人に他愛ない挨拶を返せるのはちょっとだけ精神的に落ち着く。
>>1925
「ふふん、こんな気分が滅入りそうな時ほど明るく考えなくっちゃね」
とはいえはしゃぎすぎるのも大変だし、そこまでする気分にもなれないので気持ち程度ではあるけど。
「人間以外……そういえば悪魔だとか天使だとか、そんな話ちらっと聞いたなぁ。
いるんだね、そういう種族も。わたし今まで会ったことないや」
そう口にする少女も、人とは思えないほど真っ白な肌をしていた。まるで白紙のよう。
自認猫の着ぐるみは、確かに人でも人じゃなくても怖いかも。
「そうだった………」
「大浴場がなくとも、個室にお風呂がついてるはずだ………」
個室になかったら、いよいよおしまいだ。
そしてここにもきっと、中庭に行くヒントはない。
幕は開かないだろうし……冒険は終わってしまったな。
出た。真っ白女。つまり化け物。
しかし視線に挨拶くらいはしてやりましょう。
「こんにちは」
楽しそうにお喋りは……してたんだろうか。
ひと段落はしました。
プールに行った時に入れ違いになった人間パーティの人達だ。
様子的に他の場所も周って来てここが終着点だろうか?という感想を思い浮かべる。
あ、さっき廊下で見かけた人だ。隣同士で会話する最中、少し視線がそちらに向いた。
楽しそうにお話してたけど、ひと段落したのかな。
「玲衣くん知ってます?ホテルって風呂あるんすよ」
こちらも立食パーティとかは2次元でしか知らない。
て言うかこんなに立派なホテルも知らない。
男ふたりの冒険の旅はここで終わりである。しょぼい。
「……立食パーティーに使われてたんですかね」
流石に参加したことはないけれど。
ドラマやマンガで見たことはある。
「というか…ホテル、とか?」
「受付があったし……ロビーに」
個室が人数分あるというなら、恐らくは。
「………そういう風に言って貰えると思ってなかったから、ちょっと…驚いちゃった。」
自分が急に変な事を言い出したからそれに対して何か言われるかと思っていたが、その予想とは正反対の言葉に一瞬呆気に取られてしまうが…すぐに気を取り直してそう返す。
「う、うん……。というかあの猫も中身は人間…だと思うけど、ここに来て人間以外も見てるし、何より猫みたいな反応しかしてなかったら余計に怖くなっちゃって…。」
猫みたいな人間も怖いし、人間じゃなくても凄く恐い。
「あれは舞台なんでしょうか。そんならここって巨大な……商業施設的なものなんすかね」
それなら中庭も、シャワーが無いのも、ロビーだって納得出来る。
食堂という名のでかいキッチンも。
歩き回って最後に顔を出したのはここ。
やたら広くでかいお陰で、開放感は廊下よりあるかもな。
そんで人もそこそこ。
「ふむ。やっぱシャワーは無いんすね」
残るは個室くらいしか無い。終わりである。
>>1818
「そっか……それなら今日が雨でよかった。
全然知らない場所に知らない人がたくさんで、結構不安だったから。こうして話せて、わたしは嬉しいな」
雨は別に好きじゃないけど、嫌いと言うには良かったことが多すぎる。例えば、今とか。
「気にしてないよ。まあわたしもあんなに大きい猫がいたらビックリするけど……」
着ぐるみだから別にそこまで。本当の猫だったら、追われた途端全力で逃げ出すかもしれない。
でも着ぐるみに追いかけられたらそれはそれで逃げるかも……。
>>1776
言葉に対して小さく頷く。
何となく気遣って深く言及しないでくれてる気がしたから、自分も今は深くを語らずに好意に甘える事にする。
「猫…嫌いじゃないけど大きいのはちょっと怖い、怖くない…?って……ご、ごめんなさい……。」
大きな猫(?)を警戒しつつそんな返事をするが、反射的に隠れるように距離を詰めてしまった事に気づいて慌てて身体を離して謝罪する。
>>1736
「……雨の日じゃないと一緒にいられないの?」
なんで、とまでは聞かなかった。そこまで一息に踏み込むにはあなたのことを知らなかったから。傷つけないように言葉を選んで、努めて落ち着いた調子のままあなたに問いかけた。
「わ。……もしかして猫、苦手?」
驚いた声は上げたものの、身を寄せてくるあなたを拒むことはない。隠れようとするなら、庇うように体を動かそうとする。
着ぐるみぽいから中に人がいるかもしれないけど、仮に人が入ってたらそれはそれで四足歩行は怖い…。
入ってなかったらもっと怖い事になるのでこれ以上は考えないようにする、幸い猫(?)も無理に寄っては来ないようだし、ソッとしておこう…。
休んでるだけなら怖さも多少は和らぐし、人の輪に入れない辛さは自分も知るところもあってそんな事を考える。
「……」
時間の感覚を無くしていたが、身体はそろそろ限界で。
手帳とペンをしまって、自身の個室へと向かっていった。