『ロビー』
色褪せたようなあまり広くないロビー。
無人の受付カウンターとモニター、いくらかのソファがある。
開いた大扉の向こうは、中庭が見える。
『記録[
「人は多いですが、今のところは……平和、なようで」
まだ目立った争いは無さそうですが
猫が見ていないだけでしょうか
……あとさっき揶揄った人達大丈夫かな。
冷水のシャワー浴びてくるみたいだったけど
「……やっぱりソファは限りがありますし
持ち出しは角が立つ、100あればなぁ」
物理的な資源を物色中。
「人数ですか? 多いですよねぇ、中々。
一刻も早く解放されたいところです」
「はい、行ってらっしゃい。俺もプールに行こうかな」
「あそこ綺麗で好きなんですよね。水辺だし……」
プールを水辺と呼んでいいものか。
ソファーから立ち上がり、ゆるゆると歩いていく。
ハリボテの食堂から歩いてくる。
モニターにまっすぐ向かい、異常がないのを確認して話題に耳を傾けた。
「ご飯の話の次はお風呂の話ですかぁ」
「いいですねぇ」
こころに癒しが欲しくなる時間ですね。
しおしおしお。
「………ち、ちょっとシャワー浴びてくる………」
タオル、普通に置いてあるかもしれないし。と、立ち上がってスーッと歩いていった。
「ヴグッ」
しばらくの沈黙。
「や、やっぱり冷水でもシャワー浴びてこようかな~~………」
タオルなかったら白衣で拭いて干しとけばいっかな………みたいな感じでそわそわし始めちゃった。
「猫は煙草の匂いとかは気にしませんが」
「体臭は気にしますからね」
ちょっと冗談がてら言ってみました。
正直あまり気にはしませんけども、何となく。面白そうだったので
「タオルねぇ。別に手持ちの資材と交換できるわけでもなさそうですし」
「記録時間とやらに補充してくれればいいんですけど。そうもいかないのかな……」
「人はさ、猫ちゃんと違ってさ、毛繕いとか綺麗に出来る手段がさ…水浴びしかないんだよね………」
しょぼしょぼ。私たちも毛繕いできたらよかったけど………
「流石に人権は消えないと思いますが。
まぁ不便なのはずっと変わらないですね。
さて、僕もそろそろ動こうと思います。では」
ロビーから去った。
「つか、タオルよ。タオルがねえとシャワーしても絶対風邪引くって………」
どっかになんかないかな~~とか言いながら、今は動く気配もなく。
「やっぱ水で気合いで行くしかないか………はぁ………」
いつ行こうかなあ、なんてぼそぼそ。でも絶対風邪引く気もする。
「………………………………」
猫ちゃんに関しては………どっちも可哀想だな、なんて思うなどしていました。