『プール』
白いタイルと規則正しい大き目の窓で構成されている。
窓は割れ、崩れた天井からプールに雨が降り注いでいる。
雨と地味な噴水と、緑のない殺風景な中庭が見える。
水しか出ないシャワー室も一応ある。
『記録[
「月収が1万円ふえたきがしますよね」
豊かになった感の表現が独特。
「本当に、血で汚れてないシャワー室がいいって言うから、
私の使ったところは汚れてなかったよって返したら……」
「いいんですか?」「入った後のシャワー室を俺に」
「って」
これが私相手じゃなかったら本当に刺されてたと思います。
いえいえいえ……。なんてやり取りがあったのかもしれない。
『よかったねぇ』
温かそうで何よりだ。
自分が浸るよりそれを見てる方が嬉しいかも。
にこにこしながらお湯を足している。しょぼぼぼ……。
「こっちのタライ、一度にいっぱい沸かせるけど、時間掛かるね。」
やっと温まったようです。ざばりとプールの中に入れる。
「私も一緒に入らせて貰うね。」
靴を脱いで揃えて、足湯の中へ。
「…あったかい!」
しばらくして、またさっきの女が。
今度は汚れた白衣と、赤いマフラーを持って。
皆さんがしていることは、考え事をしているからか、見えていないようで。
そうして、そのままシャワールームへ入って行きました。
いえいえお先にどうぞ……なんてやってたかもしれない。
なんなら追加のお湯を沸かしに行こうとしていた。
「……………………」
まあ、ちょっとだけ足つけてみようかな。
靴下を脱いでプール内に降りる。
「お」「お〜〜……」
「暖かい。足湯だ……」
これだけでものすごく生活が豊かになった気がした。
少し足を湯につけただけなのに。
『ぼくもお義父さんのお手伝いする~』
冷水シャワーに悲鳴を上げてた人達に楽しんでほしい気持ち、あります。
じょぼぼ……お湯を足している……。
「……私の入った後のシャワールームに」
「セクハラかましながら入っていった藍くんを思い出して」
「すごいきもちになって、一瞬で切り替わりました」
少しスカートの裾をつまみながらも楽しんでいる。
本当に、心が急に豊かになった気分。
「すごい一瞬の切り替え」
「ほらガキどもみんな入れ〜。俺お湯足しとくから」
これの言うガキとは、全を指している。
焼かれたタライの熱湯を注いでおこう……
「あ~」
あ~。面倒になって足湯に突っ込んでいった。
根気がなさすぎる女です。
「……!」
「あったかいです!」
そして、久方ぶりに触れたじんわりとした温かさ。
ちょっとだけ感動する。
紅茶を頂いてずず…と飲んでいました。
「美味しいね!」
にっこにこです。
「個室のソファで寝てたけど、ちょっと身体痛いかも。」
床よりはマシとはいえ。